ドルは戻り高値更新、ただ目先上値も重そう
〇本日のドル円、137円を回復し先週高値137.23も一時更新
〇しかし上値重く137円半ばを前に上げ渋り、その後は137円台を中心とした揉み合いに
〇週末に米仏独英首脳が電話協議、ウクライナ原発の安全確保で一致
〇ジャクソンホール会合を前にした調整に警戒、135円半ばを下回れば深押しが入る可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.20-137.40
<< 東京市場の動き >>
週明け22日の東京市場は、ドル強保ち合い。先週末に記録した戻り高値を更新する局面も見られたが、上値も重く一段高とはならなかった。
先週末は、露ガスプロムが「欧州向けパイプラインを31日から3日間停止する」と発表し話題に。欧州への揺さぶりを強める構えとみられる。一方、22日から公務再開予定だった岸田首相が新型コロナに感染、静養しつつしばらくはオンラインでの公務となる見通しが明らかにされている。
そうした状況下、ドル/円は136.90円前後で寄り付いたものの、ドルはじり高推移。137円を回復し、先週高値137.23円も一時更新している。しかし、上値も重く137円半ばを前に上げ渋りとなると、その後は137円台を中心とした揉み合いに。16時現在では137.05-10円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ原発問題」と「中国情勢」について。
前者は、週末に米仏独英首脳が電話協議し、「ウクライナ原発の安全確保で一致」したほか、「早期にIAEAの調査団を派遣することが重要との認識で合意した」と発表されている。ただ、そうしたなかウクライナ当局は、ウクライナ第2の原発である南ウクライナ原発から約30キロの地点にあるボズネセンスクがミサイル攻撃を受けたと発表するなど、依然として危うい状態に変わりない。さらに、ゼレンスキー大統領は24日の「ウクライナ独立記念日」に向けた、ロシア側からの一段の攻撃強化への警戒も呼びかけていたという。
対して後者は、共同通信が「北京で一部市民による預金引き出し騒ぎが発生」と、いわゆる「取付騒動」が起こった旨を報じていた。そうしたなか、国営メディアは「国務院(内閣に相当)の当局者が財政・金融政策による経済支援を強化する方針を示した」と報じるなど、火消しに動いているが、果たしてすぐに鎮火するものなのか。このあとも動きには注目だ。一方、それとは別に米紙WSJは「中露首脳、9月に対面式会談実施の可能性も」などと報じ、一部で思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は年初来高値139.39円を起点に130.40円まで、約9円の下押しを経たのち、およそ7円戻すという展開となっている。これをフィボナッチでいうと、下げ幅の61.8%戻しはとうに超え、76.4%戻し(137.25-30円)が次の上値メドとなっていたものの、本日東京時間にそのレベルも超えてきた。つまり、フィボナッチの観点では多少時間がかかるにせよ100%戻しを達成する可能性も。
日米金利情勢への関心が依然として高いなか、今週は週末にかけて開催されるジャクソンホール会合、なかでもパウエルFRB議長の講演に注目だ。また、今週も重要な米経済指標が発表されることから、そちらの内容にも引き続き注意を払いたい。プラスして米株の動きなどにも要注意であるほか、本日から9月1日にかけて米韓合同軍事演習が開始しただけに、北朝鮮による対抗措置の動き、具体的には弾道ミサイル発射などへの警戒を抱く向きも多くなっている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週ピタリと上げ止まったフィボナッチポイント137.20-25円を本日東京時間に一時上抜け。さらなるドルの上値展望が広がった感を否めない。
ただ、日足チャートなどを見るまでもなく、短期的にはやや行き過ぎの感もあり、ジャクソンホール会合を前にした調整への警戒も。135円半ばを下回ると深押しが入る可能性もある。
本日は米経済指標として、7月のシカゴ連銀全米活動指数が発表される予定だが、予定されているイベントはそれぐらいで材料は全体的に少なめか。次の材料待ちで、動意が全般に乏しくなる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.20-137.40円。ドル高・円安方向は東京高値の137.40-45円が最初の上値メド。上抜ければ138円台乗せを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値にあたる136.75円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと136円前後などを目指し、さらなる続落も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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