トルコリラ円レポート月曜版
ムーディーズトルコを格下げ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですがトルコリラ円は「33.70レベルをサポートに、34.60レベルをレジスタンスとする」流れを予想しました。実際のレンジは安値が33.85レベル、高値が34.42レベルと、金曜NY市場で大きなニュースが出た割には予想のレンジ内での値動きとなりました。
大きなニュースとは編集人K氏のコラムにもある通り、ムーディーズが23日ニューヨーク市場引け間際に、トルコの自国通貨建て長期格付けをBaa3(BBB−相当)からBa1(BB+相当)に引き下げたのです。見通しもネガティブでしたし、これまでのトルコ国内の動きを考えると、いつ格付けが引き下げられてもおかしくはなかったのですが、ついにムーディーズが動き同国の長期格付けを投機的水準へと引き下げました。
BB格は投資不適格、対ドル、対円ともにトルコリラ安の要因
長期格付けはBBB格までは投資適格ですが、BB格は投資不適格となり投機的水準と呼ばれます。よく聞くジャンク債がそうですし、金融商品では聞こえよくハイイールド債と呼ばれ、金利は高いもののリスクも高い債券という扱いです。ムーディーズのコメントではトルコの現在の状況が数年は続くと見ており、今回は発表前の34.20レベルから33.90レベルへと、ある程度予想されていたこともあり下げは思いのほか限定的でしたが、今後のトルコの金融市場におけるプレゼンスを悪化させることは間違いなく、引き続き対ドル、対円ともにトルコリラ安の要因となることは間違いありません。
今回は日足チャートをご覧ください。
トルコ円日足
上のチャートでは3月下旬以降の動きを示していますが、ピンクのラインエ示した下降チャンネルは1月から続いていますし、線の引き方を変えれば2014年末からのかなり長期下降チャンネルを引くことが出来、6月の英国国民投票以降多少は落ち着きを見せていたトルコリラ円が再び下げの勢いを速める可能性が高まっています。
週明けの早朝市場では既に33.59レベルの安値まで水準を下げ、その後は買いも出てはいるものの戻しは弱く発表前の水準(34.20レベル)まで戻すことは困難な状況です。いっぽう、下値はいくつかのサポートが見られ、8月安値の33.40は既に視野に入り、年初来安値となっている6月安値の33.20レベルをターゲットにする動きと考えることが出来ます。
33.20-34.00
ドル円も週報に書いた通りでドルの上値が重たい地合いとなっていますので、トルコリラ円にとっては二重苦の状態です。今週は33.20レベルをサポートに、34.00レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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