シカゴポジション(CME)347
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション
(単位:枚)(2022年08月9日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは2週続けて豪ドル以外は米ドル売りになりました。
まず豪ドルですが、総枚数減らしての豪ドルショート積み上げになっています。総枚数減らしながら豪ドルロングを利確しているので、豪ドル先安の相場観は維持しているものの、スポットが上がっていく過程で天井が見えずに売り増しできない様です。NZドルは完全にスクエアですので、オセアニア通貨間で対米ドルの相場観に違いがあるままです。先週までの豪ドル対NZドルは豪ドル高トレンドライン1.0990〜1.1210NZドルは維持しています。現在のスポットは1.1045NZドル付近で、トレンドライン下限近くですので、このまま下限を切れて豪ドル安NZドル高になった時、ヘッジとしてのNZドル買いが出ないと、オセアニア通貨高が続いている現状で、シカゴはいずれ豪ドル損切りの事態になります。
円は一段とドルロングを減らしています。昨年3月16日締日(終値109円00銭)週に米ドルロング戦略に変更してから約1年5ヶ月続いたドルロングの終焉になるか、あるいは一度スクエア後に押し目で再度ロングを積み上げ始めるかの分岐点にきています。過去10年近くのパターンではこのままいけばドル安の相場観へ転換する可能性が高くなっています。今後数週間の推移が非常に大事となります。ポジションを切り替えた場合は最低でも半年位のキープになりますので、年末から来年初のシカゴ相場観が明確になります。
ユーロは小幅ですが、ユーロショートを減らしてきました。目安となる5万枚越えではないので、ユーロ先安観ではないですが、狙いはユーロ安方向です。ロングからショートへ切り替えたのが6月14日週で、締日終値が1.0416。その後2〜3週間はネット15,000枚ショートで、相場は1.0350〜1.0600で推移していました。ショートを増やし始めたのが1.03切れてからですので、コストはあまり良くありません。このままネット5万枚未満が続けばユーロの新安値更新をみていないことになります。逆にスポットが1.04を越えてきた場合、売り上がりするかスクエアにするのかをみたいと思います。ドル円がポジション切り替わった場合はユーロも要注意と思います。
シカゴはロング5,200枚数減、ショート3,600枚減、ネット1,600枚の豪ドルショート増になりました。これで4週間連続してショート増になりましたが、ポジション手仕舞いによる増加なので、強い豪ドル先安観とは言えない状況です。チャートを見ると、豪ドル安トレンドライン0.6850〜0.7400内で、先週加えた赤い抵抗線(0.6950)を少し越えてきました。現在のスポットは完全に上抜けており、明日の締日で越えていた場合のネットポジションを見たいと思います。NZドルが追随しない豪ドルショートであり、持ち値のコストも割れていると思われるので、損切りも視野に入れておき、逆にここから豪ドルショートを積み上げてくればかなり強い先安をもっていることになります。
実際の相場は、先週記した0.70の心理的抵抗線とザラ場高値0.7050の抵抗線を抜けてきました。このまま0.7050サポートを維持している限り、上値トライ先行になります。抵抗線としては0.7130〜40、0.7190〜0.7200、0.7250の順にあり、最後は強くなっています。下値は0.7050を切れて終われば、0.7000、0.6970に順にサポートあります。長期はまだ豪ドル安で、月足の豪ドル安トレンドラインは0.6780〜0.7560にあります。シカゴが戻り売りするのかをみます。(1豪ドル=0.7089米ドル、8月15日14:10)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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