ドルに続落懸念、131円半ばも視界内に(8/1夕)

週明け1日の東京市場はドルがさらに続落。それほど目立った材料もないなかドル安が進行したものの、132円台は辛うじて維持されている。

ドルに続落懸念、131円半ばも視界内に(8/1夕)

ドルに続落懸念、131円半ばも視界内に

〇本日のドル円はドルが続落、132.10レベルまで値を下げる
〇露のガスプロムが隣国「ラトビアに対するガス供給を停止」したと発表
〇132円を割り込めば、6月半ば安値131.49が次の下値メド
〇本日は7月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.50-133.00

<< 東京市場の動き >>

週明け1日の東京市場はドルがさらに続落。それほど目立った材料もないなかドル安が進行したものの、132円台は辛うじて維持されている。

先週末は、露のガスプロムが隣国「ラトビアに対するガス供給を停止」したと発表し話題に。また、ペロシ米下院議長が米議員団を率いてインド太平洋地域を歴訪すると発表したが、取り沙汰されている台湾訪問に言及しなかったことも思惑を呼ぶ。
そうした状況下、ドル/円は133.20円前後で寄り付いたのち、しばらくは小じっかり。133.55-60円の日中高値を示現している。しかし、ジリジリと値を崩すと途中ストップロスを巻き込み下げが加速。132.10円レベルまで一気に値を下げた。132円を割り込めなかったことで、本日安値を付けたのちは低位揉み合い。16時現在では132.30円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「各国の積極的な外交姿勢」について。
前者は、現地メディアがインタビューに応じたトルコ報道官の発言として「ウクライナ穀物船は1日にも出航する可能性が高い」と報じ、一安心の感も。ただ、ウクライナ大統領は同国の今年の穀物生産量が、「ロシアによる軍事侵攻の影響で半減する恐れ」と指摘するなど、輸出が順調に進んでも万々歳とはいかないようだ。また、それとは別に前述したように、露のガスプロムが明確な理由も示さず隣国「ラトビアに対するガス供給を停止」したと発表したことが話題に。エネルギー供給問題をめぐる欧米諸国間の駆け引きも目が離せなくなっている。

対して後者は、先週末金曜日以降重要な2ヵ国間会談などが相次ぐ。たとえば、「米露外相が、拘束の米国人解放や穀物輸出などめぐり電話会談」を行ったほか、「日米が経済版2プラス2開催」そして「日米外相が会談も実施」されている。また今後の予定として、先でも取り上げた「ペロシ米下院議長のアジア歴訪」や「米国務長官、今週からカンボジアをはじめとする東南アジア・アフリカを歴訪、読売新聞が伝えた「日中、8月初旬の対面式外相会談を調整」なども思惑を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、7月27日高値137.46円からと考えても、先週だけでおよそ5円もの下落をたどっていたが、本日東京時間に下値をさらに広げている。先週末にもレポートしたように、6月半ば安値131.49円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、76.4%戻しの133.35円も下回っており、すでに100%戻しも現実的な下値メドとして意識されている。また、その少し下131.10円レベルには移動平均の90日線も位置しており、それらをめぐる攻防にまずは注目か。
日米を中心とした金利問題に対する市場の関心は決して低くないものの、性急な大幅利上げを受けた米景気減速懸念の方が少しずつクローズアップされつつあるようだ。そうした意味もあり、今週は7月の米雇用統計を中心に発表される米経済指標の内容には十分に注意を払いたい。ちなみに本日は、7月のISM製造業景況指数が発表される見込みで、数字によってはやや荒っぽい値動きも。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に下げ幅をさらに拡大。下回れなかった132円を割り込めば、6月半ば安値131.49円が次の下値メドとして名実ともに意識されそうだ。なお、6月安値のほか移動平均の90日線が位置するなど131円前半から半ばはなかなか強いサポートだが、逆に言えばしっかり割り込んでしまうと130円割れに向け、さらなる下値模索の余地が広がりかねない。

本日は米経済指標として、7月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表されるほか、欧州企業などの決算発表も引き続き幾つか予定されている。決まり物は少ないが、欧州エネルギー供給問題などの継続案件にも引き続き注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.50-133.00円。ドル高・円安方向はすでに133円手前からオファーが並び始めており、上値が重くなりつつあるため、132円後半から最初の抵抗か。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の132.10円レベルの攻防にまず注目。割り込めば131.49円を目指す。

ドルに続落懸念、131円半ばも視界内に

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る