南アランド週報:『冴えない動きが継続中。来週は三角保ち合い下放れに要警戒』(7/30朝)

南アランド円相場は7/12に約2ヵ月ぶり安値7.97円まで下げ幅を広げましたが、その後は、8.00ー8.20のレンジ相場が続いております。

南アランド週報:『冴えない動きが継続中。来週は三角保ち合い下放れに要警戒』(7/30朝)

『冴えない動きが継続中。来週は三角保ち合い下放れに要警戒』

〇今週の南ア円、株価堅調、金・プラチナ価格の上昇等に週央にかけ8.19まで上昇
〇その後ドル円での急激な円高進行、南ア経済先行き不透明感に週末にかけ7.99まで下落
〇南ア円7月中旬以降8.00-8.20のレンジ相場継続、テクニカルには上方に複数のレジスタンス
〇来週はテクニカル主導の展開か、三角持ち合い下放れによる急落リスクに注意
〇引き続き、短期的にも中長期的にも、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.85ー8.15

今週のレビュー(7/25−7/29)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.08円で寄り付いた後、@株式市場の堅調推移や、A金・プラチナ価格の急上昇(南アフリカの交易条件改善期待)、B南ア6月生産者物価指数(結果+16.2%、予想+15.6%、※前年比)の伸び率昂進、C上記Bを背景とした南ア中銀による追加利上げ観測が支援材料となり、週央にかけて、週間高値8.19円まで上昇しました。しかし、6/9高値と6/28高値を結んだレジスタンスラインに続伸を阻まれると、D対主要通貨での円買い圧力(ハト派な米FOMCや冴えない米第2四半期GDP速報値を受けた円ショートのアンワインド→ドル円急落→南ランド円連れ安)や、E南ア経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での南ア中銀による金融引き締め→景気への強い逆風)が重石となり、週末にかけて、週間安値7.99円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/30午前2時15分現在)では、8.00円前後で推移しております。

来週の見通し(8/1−8/5)

南アランド円相場は6/9に記録した直近高値8.81円をトップに反落に転じると、7/12に約2ヵ月ぶり安値7.97円まで下げ幅を広げましたが、その後は、8.00ー8.20のレンジ相場が続いております。但し、上方に複数のレジスタンスポイント(一目均衡表基準線や90日移動平均線など)が控えていることや、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転が成立していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。現在は6/9高値と6/28高値、5/12安値と7/12安値で結ばれた三角保ち合いが続いていますが、来週はこうした均衡状態が崩れ下放れに転じるシナリオが警戒されます。三角保ち合い下放れが実現し、更に7/12安値7.86円の下抜けにも成功できれば、4/19高値と6/9高値で形成されたダブルトップの下放れも実現するため、南アランド円相場の急落リスクは相応に高いと考えられます(仕掛け的な南アランド売りが出やすいチャート形状)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによる連続利上げ(米国は今週のFOMCで75bpの利上げを実施→新興国から米国への資本流出に繋がり易い)や、A南ア経済の先行き不透明感(景気停滞と高インフレが同時に進むスタグフレーション懸念。先週発表された南アCPIは約13年ぶり高水準を記録。今週発表された南アPPIも市場予想を上回る結果)、B南ア中銀による追加利上げ観測(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは景気への強い逆風)、C南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的にも中長期的にも、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカの経済イベントに乏しいことから、テクニカル主導の相場展開(下値トライ)に注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.85ー8.15

注:ポイント要約は編集部

『冴えない動きが継続中。来週は三角保ち合い下放れに要警戒』

南アランド円日足

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