ランド円レポート月曜版(2022年7月25日)

先週のランド円は安値が7.99レベル、高値が8.11レベルと、前週のレンジを更に狭め週間レンジもわずか12銭に留まる閑散な一週間となりました。

ランド円レポート月曜版(2022年7月25日)

ランド円レポート月曜版

〇先週のランド円、安値7.99レベル高値8.11レベル、週間レンジ12銭に留まる
〇南ア中銀会合、予想0.5%に対して0.75%の利上げ実施、引き締めスタンスを継続姿勢
〇米FOMCでも0.75%利上げ予想、金利差に変化なく無風でのイベント通過
〇ランド買いの好材料見当たらず、徐々に高値を切り下げる動きが続く
〇今週は南アPPIに注目だが、米FOMCで動きなければ材料視されにくいか
〇今週は7.90レベルをサポートに8.20レベルをレジスタンスとする週とみる

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「レジスタンスと水平線との下降ウェッジの中で、前週のレンジをやや広げ7.90レベルをサポートに8.20レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.99レベル、高値が8.11レベルと、前週のレンジを更に狭め週間レンジもわずか12銭に留まる閑散な一週間となりました。

先週のランドは、日銀、ECBと同日の21日に南ア中銀の会合があり、0.5%のコンセンサスに対して0.75%と大幅な利上げを実施したことで政策金利は5.5%となりました。中銀の声明ではインフレリスクは上振れしているとし、また委員の一人が1%の利上げを提案したこともわかり、引き続き引き締めスタンスが続くことを意識させるものでした。

しかしランドの動きは冒頭に書いた通りまったく見られず、ドルランドも一時的にドル買い・ランド売りの動きとなったもののレンジを抜けだすわけでも無く、ほぼ無風でのイベント通過となりました。これは27日にはFOMCでも0.75%の利上げが行われるであろうことから、一週間の違いはあるものの米国との金利差は変化しないという点が大きかったと見られます。

また最近の傾向として利上げイコールその国の通貨が買われるという動きでは無く、逆に利上げによって景気が後退するリスクにも目が向くことで通貨売りの側面が気にされていることがあります。実際にECB理事会でも予想以上の利上げにごく一時的にユーロ買いが見られたもののすぐに売りの動きに転じたことからもわかります。そうなると、今週のFOMC後に米ドル売りに繋がるのか、というほうが当面の注目材料になりやすいと見られます。

他にも商品価格の下落が世界的な景気後退リスクを連想させる中で銅価格の下落は中国の景気後退(世界の銅消費量の半分が中国)と結び付けて考えられますし、既存の悪材料(財政問題、エスコム問題など)もあって、なかなかランドを買う好材料が見当たらず、徐々に高値を切り下げる動きが続いていると見ることができるでしょう。

今週は南ア関連ではPPIが注目材料ではありものの、FOMCの翌日となりますので、FOMCで大きな動きが見られなければ、材料視されにくいかと見られます。

テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円レポート月曜版

中段のドルランドはここ2週間ほどで高値圏からの反転パターンを形成中にも見えますが、それよりも最近の米金利低下を受けてのドル円の下げの方が大きい印象です。ただ、ランド円は完全に横ばいであることから現状のドルの動きは対ランドも対円もほぼ同一ということになります。

今週のFOMC前後もドルの動きとしては同じような動きとなる可能性は高いのですが、ランド円としての動きは6月安値8.16レベルを下抜けてから強まったことや、その後の戻り高値が8.16レベルで止められていることを考えると、基本的に上値は重く5月安値7.84レベルを試しやすいということが言えそうです。

今週も先週同様にレジスタンスと水平線とに挟まれる下降ウェッジの中で、大台を割り込み7.90レベルをサポートに8.20レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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