発表される米指標に注目、数字次第で続落も
〇本日のドル円、右肩下がりで136円割り込み下げが加速、日中安値135.10レベルまで一気に値を下げる
〇円は対ドルだけなく、対ユーロなどクロスでも全般的に買い進められる展開に
〇ロシアからドイツに向けた「ノルドストリーム1」のガス供給量は最大容量の2割にまで低下
〇本日は米経済指標として4-6月期のGDP速報値や週間新規失業保険申請件数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場はドルが大幅安。久しぶりに、東京時間だけで1円を超えるドル安・円高が進行している。
ドル/円は、寄り付いた136.55-60円を日中高値に右肩下がり。当初は底堅さもうかがわせていたものの、136円を割り込むと下げが加速し、そのまま日中安値の135.10円レベルまで一気に値を下げた。なお、円は対ドルだけなく、対ユーロなどクロスでも全般的に買い進められる展開。結局、ドル/円は16時現在135.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、日本時間27日に米FOMCの結果が明らかとなり、予想通り「0.75%」の利上げ実施と発表された。またパウエルFRB議長は会見で、「米経済は現在リセッションには陥っていない」との認識を示したものの、次回9月(8月は会合なし)以降は「利上げの判断をデータ次第とする」、「いずれ利上げペースを落とすことになる」などと述べたことが市場の金利先高観を殺ぐ結果となり、本日東京市場に向けたドル売り・円買いのトリガーを引いた感も否めない。
対して後者は、ロイターによると、ロシアからドイツに向けた「ノルドストリーム1」のガス供給量は最大容量の2割にまで低下しているようで、今後の動静が懸念されている。ユーロの足かせ要因に。また「泣きっ面に蜂」と言わんばかりに、ドイツとチェコで「鎮火に数週間かかる」と言われる大規模な森林火災が発生したことも、懸念されていたという。そうしたなか、双方の合意に基づきウクライナからの穀物輸出の調整機関がトルコに設置され、数日以内に輸出再開される見通しが立ったと伝えられることは数少ない明るいニュースだった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は22日に記録した135.57円を下限とした、やや広めのレンジを形成していたものの、本日東京時間にその下限を下回ってきた。一時135.10円レベルまで下落している。ただ、これが「単にレンジを下方向へと広げただけ」なのか、それとも「さらなるドル安のトリガー」であるのかは今のところ不明。個人的には時間ではなく価格調整を期待していただけに、後者を支持したいが果たして如何に。仮に後者の場合、135円を下回ると134円半ばがターゲットだ。
今週最大の関心事であった米FOMCで、2会合連続「0.75%」という大幅利上げが実施されたものの、市場はむしろFRB議長の「いずれ利上げペースを落とすことになる」などとした発言を材料視する展開となっている。米FOMCは終了したとはいえ、本日以降かなり重要な米経済指標の発表が予定されており、まずはその内容に注目だ。本日でいえば4-6月のGDP速報値がとくに注視されている。期待外れな内容となれば、東京でみせた調整の円買いの流れがさらに加速しかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末にしっかりと割り込んできた移動平均の21日線(136.85-90円)をそののち上回ったが、その上回った動きこそが「ダマシ」だったようだ。本日の取引はまだ終わっていないものの、再び下回ってきただけでなく乖離がドンドン大きくなっている。ドルの続落にも要注意。なお、6月半ば安値131.49円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは半値押しにあたる135.45円レベルを下回っており、次のターゲットは61.8%戻しの134.50円レベルとなる。
本日は米経済指標として、4-6月期のGDP速報値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米企業の決算発表も多く、それらはいずれも要注意。また、「米中首脳による電話会談が実施される」見通しであるほか、ここにきて新たに「バイデン氏が経済に関して会見を行う」といった情報も聞かれていた。こちらも伝えられる内容次第では相場の波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40円。ドル高・円安方向は現状しっかりと下回っている136円レベルが最初の抵抗で、抜けても136円半ばや移動平均の21日線が位置する136円後半では上値も重そう。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の135.10円レベルをめぐる攻防に注目。割り込めば当然135円割れが意識され、ターゲットは134円半ばか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.07.29
ドル円、約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。2四半期連続マイナス成長で米経済はリセッション※入り(7/29朝)
28日(木)のドル円相場は大幅下落。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:橋本 光正
2022.07.28
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表(22/7/28)
昨日開催されたFOMC金融政策会合の記者発表要旨が公表されました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。