発表される米指標に注目、数字次第で続落も(7/28夕)

28日の東京市場はドルが大幅安。久しぶりに、東京時間だけで1円を超えるドル安・円高が進行している。

発表される米指標に注目、数字次第で続落も(7/28夕)

発表される米指標に注目、数字次第で続落も

〇本日のドル円、右肩下がりで136円割り込み下げが加速、日中安値135.10レベルまで一気に値を下げる
〇円は対ドルだけなく、対ユーロなどクロスでも全般的に買い進められる展開に
〇ロシアからドイツに向けた「ノルドストリーム1」のガス供給量は最大容量の2割にまで低下
〇本日は米経済指標として4-6月期のGDP速報値や週間新規失業保険申請件数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はドルが大幅安。久しぶりに、東京時間だけで1円を超えるドル安・円高が進行している。

ドル/円は、寄り付いた136.55-60円を日中高値に右肩下がり。当初は底堅さもうかがわせていたものの、136円を割り込むと下げが加速し、そのまま日中安値の135.10円レベルまで一気に値を下げた。なお、円は対ドルだけなく、対ユーロなどクロスでも全般的に買い進められる展開。結局、ドル/円は16時現在135.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、日本時間27日に米FOMCの結果が明らかとなり、予想通り「0.75%」の利上げ実施と発表された。またパウエルFRB議長は会見で、「米経済は現在リセッションには陥っていない」との認識を示したものの、次回9月(8月は会合なし)以降は「利上げの判断をデータ次第とする」、「いずれ利上げペースを落とすことになる」などと述べたことが市場の金利先高観を殺ぐ結果となり、本日東京市場に向けたドル売り・円買いのトリガーを引いた感も否めない。

対して後者は、ロイターによると、ロシアからドイツに向けた「ノルドストリーム1」のガス供給量は最大容量の2割にまで低下しているようで、今後の動静が懸念されている。ユーロの足かせ要因に。また「泣きっ面に蜂」と言わんばかりに、ドイツとチェコで「鎮火に数週間かかる」と言われる大規模な森林火災が発生したことも、懸念されていたという。そうしたなか、双方の合意に基づきウクライナからの穀物輸出の調整機関がトルコに設置され、数日以内に輸出再開される見通しが立ったと伝えられることは数少ない明るいニュースだった。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は22日に記録した135.57円を下限とした、やや広めのレンジを形成していたものの、本日東京時間にその下限を下回ってきた。一時135.10円レベルまで下落している。ただ、これが「単にレンジを下方向へと広げただけ」なのか、それとも「さらなるドル安のトリガー」であるのかは今のところ不明。個人的には時間ではなく価格調整を期待していただけに、後者を支持したいが果たして如何に。仮に後者の場合、135円を下回ると134円半ばがターゲットだ。

今週最大の関心事であった米FOMCで、2会合連続「0.75%」という大幅利上げが実施されたものの、市場はむしろFRB議長の「いずれ利上げペースを落とすことになる」などとした発言を材料視する展開となっている。米FOMCは終了したとはいえ、本日以降かなり重要な米経済指標の発表が予定されており、まずはその内容に注目だ。本日でいえば4-6月のGDP速報値がとくに注視されている。期待外れな内容となれば、東京でみせた調整の円買いの流れがさらに加速しかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末にしっかりと割り込んできた移動平均の21日線(136.85-90円)をそののち上回ったが、その上回った動きこそが「ダマシ」だったようだ。本日の取引はまだ終わっていないものの、再び下回ってきただけでなく乖離がドンドン大きくなっている。ドルの続落にも要注意。なお、6月半ば安値131.49円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは半値押しにあたる135.45円レベルを下回っており、次のターゲットは61.8%戻しの134.50円レベルとなる。

本日は米経済指標として、4-6月期のGDP速報値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米企業の決算発表も多く、それらはいずれも要注意。また、「米中首脳による電話会談が実施される」見通しであるほか、ここにきて新たに「バイデン氏が経済に関して会見を行う」といった情報も聞かれていた。こちらも伝えられる内容次第では相場の波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40円。ドル高・円安方向は現状しっかりと下回っている136円レベルが最初の抵抗で、抜けても136円半ばや移動平均の21日線が位置する136円後半では上値も重そう。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の135.10円レベルをめぐる攻防に注目。割り込めば当然135円割れが意識され、ターゲットは134円半ばか。

発表される米指標に注目、数字次第で続落も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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