シカゴポジション(CME)343
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年07月12日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションはオセアニア通貨がポジション調整の米ドル売り、円・ユーロがドル買いになりました。まだ4通貨全て米ドルロングをキープしていますが、ドル先高観を強めた枚数までは積み上げておらず、依然として慎重姿勢を崩していません。
まず豪ドルですが、目安となるネット5万枚を前に利確先行となりました。NZドルも目安の1万枚に届かずに手仕舞いしています。相場は直近の新安値を更新しているにも関わらず、ポジション調整ですので、この先の大きなオセアニア通貨安を見ていないと思います。もし今後も相場が新安値更新して、ポジションを減らしてくると、シカゴは一度底打ちの相場観になりそうです。
円はこの5万枚台が4週連続になりました。今年3月29日週(122円88銭の締日終値)に10万枚越えになってから5月17日週(同129円38銭)まで10万枚越えをキープしていました。その後6月初に、130円台に乗せてからは手仕舞い一辺倒です。シカゴの枚数をもう少し遡ると、ドルロングへの切り替えは昨年3月16日週(同109円00銭)に開始し、僅か2週で6万枚弱までドルロングを積み上げ、8月10日週(同110円57銭)まで5ヶ月間5万枚台をキープし、114円台に跳ねた10月19日週に10万枚台へ乗せています。その後は利確+積み増しを繰り返して5万枚台を維持し、次いで上記の3月29日に至っています。その意味では、まだ5万枚台をキープしているので、ドル先高観を維持していますが、このままでは一度手仕舞いする可能性が日増しに高まっています。既にドルロングにしてから1年半経過しているので、相場観練り直しの可能性もあり得ます。
ユーロは目安の5万枚台にはほど遠く、とてもユーロ先安の相場観を強め、自信をもっているとは言えません。相場はパリティ割れから200ピップス戻っているので、今日の締日で一段とドルロングを積み上げてきているのかを見たいと思います。
先週のシカゴは、ロング1,300枚増、ショート500枚減となり、差し引きは1,800枚のネットショート減になりました。豪ドル同様に利確の動きになっています。先週に総枚数増加でネットポジション1万枚越えになれば一段のNZドル安確定になるとしましたが、その相場観は持っていないことになります。チャートを見ると、締日終値(0.6136)は大きなNZドル安トレンドライン0.6170〜0.6870の下限を切っています。現在のスポットは再度その下限に絡んでいるので、まだ完全下抜けとはなっていない様です。
さて、実際の相場は、先週の0.6070〜0.6210にあったNZドル安トレンドラインが今日現在で0.5990〜0.6130まで下がり、先週の金曜日に上抜けています。今日以降この下限にある0.6130以下にならない限りは戻り高を狙える形になります。その場合の上値は、まず金曜日高値の0.6202をクリアすることが必要です。越えてくれば次は0.6250、0.6310〜20、0.6380〜90に抵抗線があります。最後がチャートの真ん中にある抵抗線0.6400に相当します。逆にNZドル安継続には0.6130未満での終値が必要になります。この場合は先週木曜日底値の0.6060の2回目トライが目安になります。
(1NZドル=0.6173米ドル、7月19日15:00)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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