米6月雇用統計の予想
本日は6月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回5月は非農業部門雇用者数(NFP)が予想を上回りましたが、失業率と平均時給は下回り、全体ではまちまちの結果となりました。前月のドル円相場は発表前が130円10銭付近で推移し、発表後に非農業部門雇用者数(NFP)を好感しドル買いとなり131円絡みまで上昇し、そのまま高値圏の130円88銭で引けました。その翌週からは10年債利回り高とドル買いで1週間後には134円41銭のNY終値となりました。
今回6月予想は平均時給が前月と同じ伸び率以外は、失業率、非農業部門雇用者数(NFP)共に下回る予想となっています。まず失業率ですが、6月FOMC会合で失業率予想が下方修正されました。3月時予想が2022年末3.5%、2023年末3.5%でしたが、6月時はそれぞれ3.7%、3.9%に修正されています。その意味で今回6月分はその流れに沿った予想と言えそうです。従い非農業部門雇用者数(NFP)もトレンドとしてはプラスでの推移が予想されますが、以前の様な大きな雇用増は期待し難くなっているようです。尚、従来ADP社との比較で非農業部門雇用者数(NFP)を見てきましたが、ADP社は月次統計方法の変更に取り組んでいるとのことで、6月分数値の発表を一時停止しています。今回はADP社とNFPの比較は割愛させて頂きます。ご了承願います。
今回気になるのは平均時給です。平均時給の年率伸びが年初の5.5〜5.6%から今回5.0%(予想レンジは5.0〜5.3%、5月は5.2%)に下がっています。一方で5月PCE全体は年率6.3%、PCEコアで4.7%ですので、給与の伸びよりもインフレ率が大きくなっています。まだコアは賃金の伸び率が上回っていますが、昨年程の購買力がなくなっています。財政支援が既に出尽くしているので、このまま(インフレ高止まり、時給伸び低下)では2022年後半は消費鈍化が懸念されそうです。下図の平均時給では過去のトレンドライン(黒)をまだ上回る水準にいますが、やや頭打ちになっており、今後の数値は要ウォッチになります。
また、アトランタ連銀GDPナウは第2四半期GDPで前期比年率▼1.9%(7月7日現在)になっており、7月1日時点の▼2.1%からは改善していますが、この数値なら2期連続のマイナスになります。
今回予想
(7月8日9時現在)
平均時給(年率)
青の矢印は今回予想値(黒のラインはトレンド)
下図はドル円の日足チャートです。3月初底値からのドル高サポートラインA(=132円60銭)に沿ってドル高トレンドは継続しています。この3月からの流れを見ると、同じ3月初底値からの急激なドル高サポートBを5月12日に下抜け、ラインCの抵抗線に沿ってドル高からの調整入りとなりました。そしてAで止まり再度反発しました。
5月30日にCを上抜けてからはD(=137円30銭)にサポートされていましたが、7月1日にこのDを切りました。
当面は、Bの下抜きと同じ軌跡を辿るのか(すなわちA迄の下押し)、あるいは軽い調整で再度上値トライに繋げるかが注目されます。ここ10営業日でE(=136円40銭)とF(=135円00銭)で収斂続中になっています。かなりレンジ幅が狭まっているので、今日の雇用統計で答えが出そうです。
ドル指数は高値を更新しており、流れはドル高継続になっていますが、E抜けかF割れかの確認になります。前者の場合、上値は当面Dが抵抗線になります。後者なら時間経過でA方向のトライになります。
(2022年7月8日12:50、1ドル=135円63銭)
オーダー/ポジション状況
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