豪州中銀議事録(2016年9月20日公表9月6日開催分)

今回の理事会はスティーブンス中銀総裁、最後の会合となりました。

豪州中銀議事録(2016年9月20日公表9月6日開催分)

豪州中銀議事録

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

(議事録要旨)
今回の理事会はスティーブンス中銀総裁、最後の会合となりました。中銀に就任してから10年間(最初の5年が副総裁、残りが総裁)、今回の会合が最後の総裁であり、理事会の長でありました。

国内経済は、前回会合より改善したものは商品関連の輸出で、価格も数量も増加した。今年年初の低い水準からは30%も上昇した。これはコストが高くなった中国生産の減少も貢献している。先の予想では2016年/2017年共に、商品関連は減少続くと見込んでいたが、幾人かの委員は鉱山関連産業のセンチメント改善の兆候になったのではと見ている。

また、年初からのフルタイムの雇用が減少し、この減少分をパートタイム雇用が補ってきたことを確認した。失業率は改善傾向を示しているが、賃金指数はまだ低い水準に留まっている。
(注:先週水曜日の豪州失業率発表により、フルタイムが改善したことはこの時点では解っていないことになっています。)

家計消費の伸びは6月期GDP見ると、予想の範囲内に収まっている。小売売上高の減少などあるが、個人借入などが堅調であり、消費は安定している。これは金利低下が貢献していることを確認した。民間住宅などの許可件数も上昇している。しかしながら、住宅関連は年初よりは価格を含めて下がっている。
企業投資は鉱山関連含めて、依然として下がっている。

結果6月期GDPは総体的に予想された数値に近い伸びとなった。

委員達は国内外の指標を勘案して幅広い見通しを行った。
豪州の主要貿易相手国のGDPは中国含めて予想以下になっている。幾つかの先進国で労働市場の改善がみられるが、まだ賃金低くインフレも中銀目標以下となっている。豪州国内でも企業投資の下落が見られたにも関わらず、2016年上半期GDPは予想された数値に収まった。金利に関係する部門は、これまでの緩和基調によって、改善傾向になっている。

以上より、最近のデータや5月・8月の緩和を見ると、現状の金融情勢は豪州経済の持続的成長を支えられると思われ、将来的なインフレ目標を達成できると確認した。
結果、委員会は現状の政策金利を1.5%に据え置くことを決定した。
(要旨以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

コメント

豪州金融緩和終了か?

9月6日理事会での金利据え置きは、当初からエコノミスト全員の予想でもあり、結果もその通りとなりました。中銀理事会では8月利下げにより、成長を維持し、インフレも将来的に中銀目標に近付くと予想しています。国内経済も堅調に推移しているために、上半期の議事録に見られた、将来の追加利下げや為替の豪ドル安への布石などは議事内容にはほとんど言及していません。ある程度の緩和基調は終わり、今後経済指標が悪化しない限り、利下げに傾く動きは少なくなった様に思われます。
豪ドル/米ドル相場は議事録発表前0.7530〜40で推移していましたが、発表後に0.7553まで跳ね、その後は0.7540〜50付近で推移しています。先々の追加緩和には言及していませんので、豪ドル売りの材料にはなり難く、やはり明日のFOMC待ちになります。米国の利上げ見送りで、豪ドル高トレンドが回復した場合に、豪州中銀が再び為替安→成長鈍化懸念を盛り込むかが焦点になりそうです。

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