両候補の政策の違いと今後の行方

今回は、前回の考察に基づいて、米大統領選挙の展開を考察したいと思います。

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両候補の政策の違いと今後の行方

政策相違と今後の行方

3回目の今回は、米共和党代表、ドナルド・トランプ候補について見てみたいと思います。

2015年にトランプ候補が今回の米大統領選挙への出馬表明をした際には、トランプ候補自身が、本気で米大統領になろうと考えていたわけではないと聞いたことがあります。
当時、自身の経営するグループの財政状況が良くないとの事で、米大統領選挙への出馬をしてキャンペーンをする事で、全国的な自社の宣伝をするという考えでいた、と聞いたことがあります。
確かに、CMとして考えるのであれば、その方がコスト的には経済ですから。
実際、選挙期間中の快進撃の中、トランプカンパニーの社債への需要が大きく高まり、一時は米国債券よりもクレジットが良くなった時期がありました。
そのトランプ候補が、この米大統領選挙を勝ちぬく事、本気で米国大統領になる事に決意をしたのは、共和党予備選挙で正式に共和党の大統領候補に指名された2016年7月の事だと言われています。

それまでの暴言一方であったトランプ氏の発言内容が、この時を境に、主だったブレーンを相当数入れ替えて、最終決戦に備えての本気モードに入ったのは記憶しています。
それまでは、どの演説に際してもっ原稿を用意せず、自身の声で話をしてきました。なのでその分、失言も多かったのですが、その時以降、専門のスピーチライターや、各種アドバイザーを迎え入れ、それまでは決して用いなかった、プロンプターも導入しました。

キャンペーンの進行に従い、自身への人気が大きくなる事に一番驚いていたのはトランプ氏自身ではなかったのではないでしょうか。 今後、11月8日までまだ2ヶ月弱の時間があるので、何が起きてもおかしくないのですが、今までこれだけの暴言・失言を繰り返しながらも、結局共和党の指名を受けるまで上り詰めたのは、ただ単なる暴言を吐く人物ではない筈です。それだけ米国民を引き付ける何かを持っている人なのだと思います。
トランプ氏の主張はハッキリしています。
「米国第一主義」です。
「グレート・アメリカ・アゲイン」とさけんでいます。

第1回目のコラムでのべました、現オバマ大統領への不満・反対を持つ米国民の心に訴え、支持を得たのだと思います。とにかく言っている事がシンプルで、ストレートで、誰にでも解り易い、それが何よりなのだと感心します。だからこそ、ホワイトプアーと呼ばれる層からの絶大なる支持を得る事になり、選挙期間が進むにつれ、トランプ氏を応援する、トランプ支持者はどんどん増え、今ではどの世論調査でもコアとなる支持者がベースになって、ある数字以下には下がらなくなっています。
この勢いと、賛否両論なのですがトランプ候補の持つカリスマ性はひょっとするとひょっとするのではと想定しています。

思い出して下さい、日本でもこれによく似た事がありました。2001年に小泉純一郎氏が自民党総裁になり、結局日本国総理大臣になった一連の流れの中で、小泉氏が用いた、対抗勢力という言葉、つまり自身への反対派がいればそれだけ自身が目立ち光るという手法、そんな小泉劇場と、まるっきり同じ演出を、トランプ候補は、トランプ劇場としてその主人公を演じているのだと想定されます。なので、結局はトランプ候補が勝利するのではと思えて仕方ありません。

もう1つのポイントは、トランプ候補は政治家ではありませんが、一流のビジネスマンです。
自分も外資の金融機関に勤務していた時はそうでした、常に案件を追いかけ、メイクデイールに明け暮れていました。

 なのでわかるのです、きっとトランプ氏は、共和党の指名を受けた以降、自分はこの選挙に勝つと決め、そうなれば、選挙に勝つというデイールを成約させる為のプランをまず考える訳です。 Xデーの11月8日までに、いつまでに何をしてゆくべきなのかの細かいスケジュールの練り、それを1つ1つクリアしてゆく為の具体的なプランの作成、必要な物・人の洗い出し、もし必要であれば外部からハントしてきてプロの仕事をしてもらう、それら全てを回す為にいくらの費用が必要なのかを計算し、その予算を組む。 

最も大切なのは、このプロジェクトの各責任者を決めて、とにかく結果を出す事を最優先に動きだしているのだと思います。

つまり、トランプ氏は政治家ではありませんが、超一流のビジネスマンなので、今までやってきているビジネスの手法をそのまま、大統領選挙というプロジェクトに落としこんできているのだと思います。
なので、トランプ候補にとって、勝つための選挙運動であり、きっと結果をだすものと想定します。

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