米株など要注意だが、目先は基本レンジか
〇本日のドル円、一時ドル売り円買い先行するも続かず135円台回復
〇調整局面入りだが底堅く、134円前半を仮に下回っても133円半ばでは下げ止まると予想
〇金利差から円は対ドルだけでなくユーロやポンド、豪ドルなどに対しても売りが先行か
〇本日は米経済指標として5月耐久財受注速報や6月ダラス連銀製造業活動指数が発表される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.50-135.60
<< 東京市場の動き >>
週明け27日の東京市場は「行って来い」。一時ドル売り・円買いが先行したものの続かず、寄り付き近くまで戻す展開に。
先週末は、ドイツでG7サミットが開幕するなか、出席者による二国間協議なども相次ぎ観測されていた。なお、ドイツに向かった岸田首相から「為替の急激な変動には注意が必要」とする円安けん制発言が聞かれていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は135.20円前後で寄り付いたものの、ドルはやや冴えない。当初はドル売りが目に付く展開で、135円をアッサリ割り込むと日中安値の134円半ばへ。しかし途中で流れが反転すると、逆にドルは堅調裡。135円台を回復し、寄り付きに近い135.10-15円まで値を戻すなど「行って来い」。16時現在ではほぼそのままドルの安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「G7の対露制裁」と「中国情勢」について。
前者は、バイデン米大統領が、G7サミットに先立ち「G7がロシア産の金の輸入禁止を発表する」とツイッターで明らかにするなか、英政府は日本と英国、米国、カナダの各政府が実際にロシア産の金の輸入停止を決めたと発表した。ロシアのウクライナ侵攻に対する追加制裁の一環になる。このあと、G7総意となるのかに注目だが、EU大統領は英政府による先の発表について、慎重な姿勢を示しており声明などに盛り込まれるものとなるのかは微妙な情勢だ。
対して後者は、国内要因として新華社通信が「中国主席、香港返還25年式典に出席」と報じたほか、中国人民銀顧問から「今年のGDP目標、5.5%達成は難しい」といった発言が聞かれている。そうしたなか、対外的にはロシアやブラジルなどに加え、途上国を招き行った「BRICS拡大会合」で団結や協力強化を積極的に呼び掛けていた。対米欧をにらんだ動きであることは間違いないようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
気を許すと足をすくわれることも多く、予断を許さないものの、ドル/円は22日に136.71円を示現したのち、ようやく調整局面入りしたのかもしれない。短期的にはドルの上値トライも仕切り直しか。ただ、この場合の調整は価格ではなく時間的な動きが予想されており、いずれにしてもドルは底堅いイメージ。取り敢えずは134円前半、それを仮に下回っても133円半ばでは下げ止まることが予想されている。
日欧英やスイス、豪州などが実際の金利引き上げに動いたり、積極的な利上げに意欲を見せたりするなか、日本だけは異質な存在だ。金利差という観点からは、円は対ドルだけでなくユーロやポンド、豪ドルなどに対しても売りが先行しても不思議はない。ただ、問題は一連の米国を中心とした利上げを受けた景気減速懸念。先週末にみせたNYダウなどの強さからすると、ピークをすでに越えた気もするが再燃すれば、為替市場において調整的なドル売りが再び強まる可能性もある。
テクニカルに見た場合、中期的なドル高基調は変わらないなか、短期的にはドル高も一服し仕切り直しか。16日安値131.49円を起点とした上昇のフィボナッチ半値押し134.10円や61.8%押し133円半ばなどを下回った場合には、なかなかの深押しをたどる危険性も。
本日は米経済指標として、5月の耐久財受注速報や6月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、米財務省による2年債そして5年債の入札が実施される見込みだ。また、28日までの日程で行われるG7サミットなどにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.50-135.60円。ドル高・円安方向は先週末高値の135.40円が最初の抵抗。抜ければ135円後半が次のポイントに。
対するドル安・円高方向は、本日安値134円半ばが目先のサポートで、下回っても134.36円や134.27円などテクニカルポイントは多い。目先大崩れも予想しにくい状況だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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