依然パウエル証言注目、米景気の見通しは
〇本日のドル円、緩やかな右肩下がりで1円程度下落、昼頃に日中安値135.15レベルに
〇米上院議会証言でパウエル議長は積極的な利上げを続ける姿勢を示す
〇本日は新規失業保険申請件数や6月製造業PMI速報などの米経済指標が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.70-136.20、136.20-30が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値135.15レベルが目先のサポート
<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場はドルが小安い。ただ下値も堅そうで、一時135円前半まで下落するも下げ渋った。
ドル/円は寄り付いた136.20-25円を日中高値にドルが冴えない。緩やかな右肩下がりをたどる展開で、昼ごろには1円程度下落した日中安値の135.15円レベルを示現している。しかし135円割れには至らず、そののちドルは回復。夕方には135.80円台まで値を戻すなど「行って来い」に近い動きに。16時現在では135.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「FRB議長の議会証言」と「ロシア情勢」について。
前者は、注目の半期に一度の米上院議会証言で、パウエルFRB議長は「景気後退の可能性はある」と認めつつも、足もとの米経済は強いという認識を示すとともに、積極的な利上げを続ける姿勢を示した。トーンとしては、これまでの内容を踏襲したが、前半部分の「景気後退」を懸念する声も少なくない。23日にも予定されている同下院議会証言の内容を、いま一度見極めたいなどとする向きもあるようだ。なお、そうしたなかシカゴ連銀総裁は「7月0.75%の利上げは非常に合理的」、フィラデルフィア連銀総裁からも「7月0.50%以上の利上げを支持する」との発言が観測されていた。
対して後者は、次の国債利払い期日を迎える23-24日を前に、プーチン氏がデフォルト回避へ新たな大統領令に署名したとして話題に。ただ、他国がそれに応じるかどうかは未知数で、まだまだ予断を許さない。一方、読売新聞によると、EUは23-24日の首脳会議で「対露追加制裁を見送る方針」だという。参加各国の意見一本化が出来ず、苦しんでいる感も否めない。なお、それとは別に貨物通過拒否問題でロシアとの関係が悪化しているリトアニアは、ナウセーダ大統領が「ロシアが電力供給遮断などの報復に動く」可能性を示唆したとされ、今後の動きが懸念されているようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円は、前日記録したドル高値を更新したが、それはわずかに1銭。日足チャートは陰線引けとなるなど、むしろドルの上値の重さを確認した感もあり、それに続く本日東京時間もドルは小幅に続落している。直近1週間足らずだけでも5円を超えるドル高進行で、さすがにドル高・円安には慎重になっているか。油断は禁物だがしばらくは次の方向性を探る動き、136円挟みを中心としたレンジ内で一進一退をたどる可能性も。
依然として日米など各国金融政策に注目が集めるなか、本日も実施されるパウエルFRB議長の半期議会証言には要注意。なかでも、前述した「景気後退」への言及度合いが注視されており、利上げが景気に予想以上の悪影響を及ぼす懸念があるなら、さらなる調整的なドル売りを増長しかねないとの声も聞かれていた。引き続き米株や金利の動きなどとともに、為替市場への影響にも注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、何度も騙されてきた展開ながら、ドル/円はドル高も一服し、再び調整局面入りをうかがわせている。基本的には136円挟みを中心としたレンジ内取引か。ただ、136.71円を超えればまたもや青天井となりかねない反面、下値も20日安値134円半ばを下回れば時間ではなく価格的な調整となり、さらなるドルの下押しを否定できなくなりそうだ。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や6月の製造業PMI速報などが発表されるほか、パウエルFRB議長の半期議会証言にも引き続き要注意。また、本日からはじまるブリンケン国務長官の欧州歴訪、明日まで実施されるEU首脳会議なども場合によっては波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.70-136.20円。ドル高・円安方向は昨日NY終盤以降ドルの上値を抑制している136.20-30円が最初の抵抗。抜ければ136.71円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値135.15円レベルが目先のサポートか。割り込んでも135円前後はなかなか強いテクニカルポイントで、底堅いイメージ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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