トルコリラ円見通し ドル円の一段高で7.80円台後半へ上昇したがドル高リラ安も気がかり(22/6/22)

トルコリラ円の6月21日は7.89円から7.78円の取引レンジ、22日早朝の終値は7.88円で前日終値の7.79円からは0.09円の円安リラ高となった。

トルコリラ円見通し ドル円の一段高で7.80円台後半へ上昇したがドル高リラ安も気がかり(22/6/22)

ドル円の一段高で7.80円台後半へ上昇したがドル高リラ安も気がかり

〇トルコリラ円、6/21高値7.89、円安急伸がリラ安に勝り、当面ドル円動向に左右される状況か
〇対ドル、6/22早朝終値17.34、 大統領の利下げ継続姿勢で安値更新続く
〇6/23トルコ中銀政策会合を予定、ドル円上昇一服でリラ売り強まる可能性に注意
〇円安がリラ安に勝る状況続く場合、8円台中盤を試す展開も
〇7.82以上での推移中は上昇余地ありとし、7.89超えからは7.90円台序盤への上昇を想定する
〇7.82割れからは7.70円台後半への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の6月21日は7.89円から7.78円の取引レンジ、22日早朝の終値は7.88円で前日終値の7.79円からは0.09円の円安リラ高となった。
ドル/トルコリラにおけるドル高リラ安基調は1ドル17リラ台前半でジワジワと進んでいるものの、それを上回るドル円の一段高に押し上げられている。
トルコリラ円は6月16日にはドル高リラ安に加えてドル円が6月16日夜に急落した局面で7.59円へ下落して5月26日安値7.71円を割り込み4月28日高値8.87円以降の安値を更新したが、ドル円が6月16日深夜からV字反騰となり直前2日間で4円を超えた下落幅を解消したことで6月17日には前日比0.15円高の反騰となった。6月20日は上昇一服で前日比変わらずだったが、6月21日はドル円が135円を挟んだ持ち合いから上放れして136円台中盤へ急伸したことで大幅に押し上げられた。
ドル円の動向がドル/トルコリラの動きに勝る変動となっていることで当面はドル円動向に左右されるところだが、6月23日にはトルコ中銀金融政策決定会合もあり、ドル円の上昇が一服ないし調整的な動きに入るところでリラ売りが強まる可能性もあると注意してゆきたい。

【1ドル17.37リラへ安値更新、終値ベースの最安値更新も続く】

ドル/トルコリラの6月21日は17.37リラから17.10リラの取引レンジ、22日早朝の終値は17.34リラで前日終値の17.32リラから0.02リラのドル高リラ安となった。
インフレが悪化する中でエルドアン大統領による利下げ政策継続姿勢とトルコ中銀が利上げできない状況を背景にリラ売りが進行しているが、1ドル17リラを超えてからもジワジワと安値更新が続いており、6月21日は1ドル17.37リラをつけて12月23日高値10.06リラ以降の最安値を更新した。終値ベースでは史上最安値の12月17日終値16.41リラを6月2日に超えてからも最安値更新が続いているが、6月21日も17.34リラをつけて最安値更新となった。
6月22日夜にはパウエル米連銀議長の半期に一度の上院議会証言があり大幅利上げ姿勢が再認識されてドル高へ向かいやすく、23日にはトルコ中銀の金融政策決定会合があるため、リラ売りが加速するきっかけとなりかねないところと注意してゆきたい。

【円安とリラ安の攻防続く】

トルコリラ円は6月16日安値で5月26日安値を割り込んだが、その後はドル円の一段高により持ち直している。日足では概ね3か月から4か月周期の底打ちサイクルで推移しているが、前回のサイクルボトムである3月11日安値から3か月を経過していること、5月26日から6月16日への安値更新に際して日足の相対力指数がボトムを切り上げる強気逆行を見せて50ポイントを超えてきたことから、このサイクルの底打ちによる上昇期に入ってきた可能性がある。
6月23日のトルコ中銀金融政策決定会合を前後してリラ売りが勢い付いてドル円の上昇が一服する場合には6月16日安値を割り込んでボトム形成のやり直しとなる可能性も考えられるが、円安がリラ安に勝った状況での推移を続けて8円台回復へ向かう場合は、当面の底打ちからの出直り相場が続く可能性もあると注目したい。その際は8円台中盤を試す可能性も浮上すると思われる。
弱い通貨同士の綱引き中のため、一方が極端に弱気されるとその方向に持って行かれる展開となりやすく、ドル円が130円台後半に来て140円台を目指すような勢いになればトルコリラ円も同調して戻してよいところともいえる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月15日午前高値を直近のサイクルトップとして6月16日夜へ急落したが、その後にV字反騰したために6月17日午前時点では6月16日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして6月20日午前から22日午前にかけての間への上昇を想定した。
6月17日深夜へ戻した後は新たな高値更新へ進めずにいたが21日夜に一段高しているためまだサイクルトップ形成期の延長入りによる上昇余地も考えられるが、反落警戒期のため7.82円割れからは弱気サイクル入りとして22日の日中から23日深夜にかけての間への下落を想定する。ただし、ドル円の動向に左右される展開のため、いったん弱気サイクル入りした後にドル円の上昇で6月16日以降の高値を更新するところからは新たな強気サイクル入りとなる可能性があると注意する。

60分足の一目均衡表では、6月21日夜の一段高で遅行スパンが好転し、先行スパンを上回った状況を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、22日午前は反落気味のため26本基準線割れを弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて先行スパンの上下限を試す下落を想定する。先行スパンからの転落回避でその後に遅行スパンが好転するところからは上昇再開とするが、先行スパンから転落するような下落発生の場合は6月16日夜からの反騰一巡による下落期として下げ足がさらに早まる可能性に注意する。

60分足の相対力指数は6月21日夜の一段高で80ポイント台に到達したところから60ポイント台へ低下している。50ポイントを上回るうちは70ポイント超えから上昇再開とするが、その際に相場が高値を更新しても指数のピークが切り下がる弱気逆行発生からは反落警戒とする。50ポイント割れからは40ポイント割れへの低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.82円を下値支持線、7.89円を上値抵抗線とする。
(2)7.82円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.89円超えからは7.90円台序盤(7.90円から7.92円)への上昇を想定する。7.92円以上は反落注意とするが、7.85円を上回っての推移なら23日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)7.82円割れからは7.70円台後半(7.80円から7.75円)への下落を想定する。7.75円以下は反騰注意とするが、7.82円を下回っての推移なら23日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6月22日
 16:00 6月 消費者信頼感指数 (5月 67.6)
6月23日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.00%、予想 14.00%)
 20:30 週次 外貨準備高 6/17時点 グロス (6/10時点 607.9億ドル)
     週次 外貨準備高 6/10時点 ネット (6/10時点 81.5億ドル)
6月24日
 16:00 6月 製造業景況感 (5月 109.4)
 16:00 6月 設備稼働率 (5月 78.0%)


6月29日
 16:00 6月 経済信頼感 (5月 96.7)


注:ポイント要約は編集部

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