豪州中銀金融政策記者発表(22/6/7)

2022年6月7日開催分

キーワード:

豪州中銀金融政策記者発表(22/6/7)

豪州中銀金融政策記者発表

(出所:豪州中銀HPから)

本日開催の豪州中銀金融政策は従前の予想を上回る利上げ幅で、発表後は豪ドル買いになりましたが、0.7246の高値を付けてから、ドル全面高の地合いに反落し、発表前の水準0.7175付近まで売られています。以下は今回の記者発表要旨ですが、今後も利上げ継続を示唆する内容になっています。
次回は7月5日(火曜日)に予定されています。

以下は今回の要旨です。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を50ベーシス上げて0.85%への引き上げを決定した。同時に為替決済残高に関しては50ベーシス上げ、0.75%に引き上げた。

豪州のインフレは著しく上昇した。インフレは他の多くの先進国よりも低いが、予想より早く高まっている。Covid関連による供給混乱やウクライナでの戦争含め、世界的な要因がインフレ上昇の大部分を占めている。しかし、国内要因も…幾つかの部門で稼働率圧迫やタイトな労働市場が価格上昇圧力に寄与していることで、またその役割を果たしている。年初の洪水もまた一部の物価に影響を与えている。

インフレは更に上昇すると予想されている。しかし、来年には2〜3%レンジに向けて下がると見られている。電力やガスの一層高い価格や最近の原油価格の上昇は、短期的には、インフレが1ヶ月前に予想されたよりも高くなる可能性があることを意味している。世界的な供給サイドの問題が解消され、商品価格が安定すれば、例えそれが高水準であっても、インフレは緩やかになると予想される。今日の利上げは暫くすれば、インフレが戻る手助けとなろう。

豪州経済は底固く、3月末四半期に0.8%、年率で3.3%伸びた。家計や企業のバランスシートは全般的に良い状態にあり、企業投資の上振れが進行中で、完成に向けた大規模パイプライン工事がある。マクロ経済政策は成長を手助けし、国富は一層高くなった商品価格により押し上げられている。交易条件は過去最高水準にある。

労働市場もまた強い。雇用は著しく伸び、失業率は3.9%である。これは過去50年間で最も低い水準である。求人や求人広告は高水準にあり、失業率や不完全雇用の一層の下落が予想されている。中銀の企業関連プログラムによれば、企業がタイトな労働市場で人材を競いあう中、近年の低い伸び率からの賃金上昇があることを引き続き指摘している。

経済見通しに関する不確実性の1つの要因は、豪州内で家計の予算が一層高まるインフレ圧力の増加により、家計消費がどの様に展開していくかである。金利もまた上昇している。住宅価格はここ数ヶ月、幾つかの市場で下がった。しかし、パンデミック前の水準よりはまだ25%以上も高いままであり、家計の富と消費を下支えている。家計貯蓄率はパンデミック前よりも高いままである。多くの家計は大きな金融バッファー(余力)を構築している。中銀の中央シナリオでは今年に家計消費の強い伸びがあるとする一方、委員会は、金融政策の適切な設定を査定する上で、消費への色々な影響について注意を払っている。

また委員会は世界経済見通しに注意を払っている。この見通しは、ウクライナでの戦争やそれがエネルギーや農産物に与える影響により曇ったままである。実質家計所得は多くの経済下で圧迫を受けており、多くの中銀が広範なインフレに対応して金融政策支援を撤回するなど、金融情勢が引き締めになっている。またCovidに関連した不確実性、特に中国、も続いている。

委員会よる本日の利上げは、パンデミック期間中に豪州経済を手助けする異常な金融支援からの一段の撤退である。経済の強靭さや一層のインフレはこの異常な支援がもはや必要ないことを意味している。現状のインフレ圧力、かつまだ非常に低金利の中で、委員会は本日50ベーシスの上げの決定をした。委員会は、この先も豪州の金融正常化のプロセスに向けて更なるステップを採ると予想している。将来の利上げ幅やタイミングは今後入手するデータ、あるいはインフレや労働市場に関する委員会の査定により導かれる。委員会は豪州内のインフレが時間経過と共に目標に戻ることを確実にするため、必要なことを行うと委ねられている。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP



豪ドル米ドル相場は昨日のシカゴポジション337内で書いた、0.7180〜90のポイント付近で止まっています。週末にこの0.7190が維持出来るか否かで、豪ドルの下値リスクが高いままになっています。現状では下値は0.7160、0.7130〜40にサポートがあります。いずれにせよ0.7180以下の週末終値確認で下値模索になります。今日はシカゴポジションの締日でもあり、シカゴにとっては良い動きになっています。
(2022年6月7日15時20分、1豪ドル=0.7176米ドル)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る