シカゴポジション(CME)336
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年05月24日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは2週連続で、オセアニア通貨が米ドルロング増、円・ユーロがドル売りになりました。オセアニア通貨ですが、相場自体はオセアニア通貨高になり、シカゴは豪ドル・NZドルロングを利確し、相応のショート分を手仕舞いした結果、米ドルロングが増えています。豪ドルはほぼ目安となる5万枚に近い枚数で、総枚数を減らしているので、明日の締日では一段とショートを減らす可能性の方が高いと思います。そして総枚数が10万枚弱になったら次の一手になるので、残り18,000枚をどの様に処理(損切りの可能性)するかをウォッチします。NZドルもロングを利確して、一部ショートを損切った形になっており、ほぼ目安となる2万枚まできました。既にシカゴは持ち値よりアゲインストしているので、明日の締日で万一ショートを積み増せば、NZドル先安観を一層強めることになります。先週のNZ中銀の利上げペースを勘案すると、NZ・米の金利格差は今後同程度で推移するか、NZ>米の可能性が高いと思いますので、6月中旬のFOMC辺りがシカゴの正念場になりそうです。
円はほとんど変わらずで、目安となる10万枚から動けず、ドル先高観は小休止です。総枚数でも6,000枚程度の増ですので、今後も総枚数の増減でネットポジションは変わらずにして、FOMC待ちになりそうです。ドルロング期間が非常に長くなっているので、ドルロング利確先行が想定されますが、ネットポジションが5万枚方向か、14〜15万枚方向かをみた方が良いと思います。ユーロはほぼ倍となるユーロロング積み増しになりました。まだ目安の5万枚までは積み上げていませんが、ユーロ先高を強め始めています。何度もロングの損切りを受けてきたので慎重だと思います。先週コメントした1.0640と1.0820〜30抵抗線の最初を上抜けており、今週は後者を越えられるか否かを見て、明日の締日あるいはその先のポジションを待ちたいと思います。もしユーロ円の上値が抑え込まれると、将来的に円とユーロのポジションが久しぶりに同じ方向になる可能性も出てきます。
シカゴはロング4,900枚減、ショート4,100枚減で、差し引き800枚のネット豪ドルショート増になりました。総枚数では前回「昨年12月来の高水準(13万7000枚)」としましたが、やはりポジションを落としてきました。しかしながら、ロングを多めに利確して、総枚数を落としているので、豪ドル先高観を強めた結果になっています。チャートを見ると、豪ドル安トレンドライン0.6990〜0.7530(前回上限だった0.7230は間違いでした。お詫び申し上げます)の中に完全に入っています。今回、昨年10月高値(終値で0.7499)からの抵抗線が0.7350にあるので、目先はここまでの上値余地が広がっています。この状況下でシカゴが売り増し出来るか見たいと思います。
実際の相場は、0.7045〜55のサポートが多く集まっているゾーンを先週木曜日に守りきり(詳細は先週26日付け小売売上高ご参照願います)、直近底値からのサポートが0.7060にきています。ここから平行に上げたトレンドラインの上値は(0.7060〜)0.7240にあり、また、0.7250には横抵抗線もあるので、この辺りまで上値余地が広がっています。下値は0.7060を切れば、心理的サポートを含めた0.70辺りのサポート狙いになります。もし相場が0.72を越える流れになった時のシカゴポジションの対応をみたいと思います。(1豪ドル=0.7175米ドル、5月30日13:40)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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