20年ぶりの130円台乗せ、ドルは高原推移(4/28夕)

28日の東京市場はドルが一段高。終盤にかけ、2002年4月以来の130円台乗せが確認されている。

20年ぶりの130円台乗せ、ドルは高原推移(4/28夕)

20年ぶりの130円台乗せ、ドルは高原推移

〇ドル円、日銀の金融緩和策継続発表で20年ぶりに130円の壁を超える
〇プーチン「核兵器の使用を辞さない」姿勢、ウクライナへの軍事支援を強化する欧米へ警告
〇2002年4月1日に記録した133.84、2002年高値の135.20などが中期的なターゲットに
〇本日は米経済指標として、1QのGDP速報値や新規失業保険申請件数など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.50-130.90、本日東京高値130円半ばが最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はドルが一段高。終盤にかけ、2002年4月以来の130円台乗せが確認されている。

ドル/円は128.40円レベルで寄り付いたのち、しばらく冴えない。日銀会合待ちのレンジ取引をたどるなか、昼過ぎに日銀が「大規模な金融緩和策の継続」を決めたことで、一気にドルが吹き上がると129円台へと1円近いジャンプアップとなった。ただ、130円には届かず一度上げ渋るも、夕方にかけて再びドル買い・円売りが優勢に。130円の壁を超えると日中高値の130円半ばへと続伸している。16時現在でも、そのまま130円台を維持、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「日銀政策会合」について。
前者は、ロシア外務省が「日本の外交官8人追放」と発表するなど、矛先を日本に対しても向けるなか、プーチン大統領は再び「核兵器の使用を辞さない」姿勢を示し、ウクライナへの軍事支援を強化する欧米へ警告を発していた。そうしたなか、ロシアが東欧2カ国への天然ガス供給を27日に停止するなど、エネルギーをめぐる「欧州vsロシア」のバトルがジワリと鮮明化してきた感を否めない。
対して後者は、東京昼ごろに日銀が「当座預金残高の政策金利をマイナス0.10%で維持」などとし、現在の大規模な金融緩和策の継続を発表している。また、同時に金利上昇を抑え込むため、「連続指し値オペを原則として連日続ける方針」も明らかにしていた。米欧を中心に世界の多くが金利正常化に動くなか、日銀の動きは明らかに一線を画すもの。当局が望むものか否かは別にして、結果的にさらなるドル高・円安が続く可能性も否定できないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ここ最近のドル/円はおおむねレンジ取引。しかも敢えて言えば、27日に一時126円台を示現するなど、やや下方向へのリスクがうかがえる格好だったが、本日東京時間にドルは逆行高をたどると20年ぶりの130円台を示現している。ポジション的には、明らかなドルロングながら、リスクは間違いなくドル高方向にバイアス。2002年4月1日に記録した133.84円を「中期ターゲット」として認識しているが、これまでの経緯からすると、存外早く到達する可能性も否定できない。
利上げに積極的な米国や欧州に対し、日本は利上げに消極的というスタンスをとってきたが、本日日銀が「利上げ消極姿勢」を修正する気がないことが改めて示された。つまり、ドル高・円安方向への動きもむべなるものと言えそうだ。先日実施された日米財務相会談を背景に、「日米協調介入」期待なども一時取り沙汰されたが、上記のような情勢からすると「ファンダメンタルズに沿った動き」で、まったく懸念することはないようにも思われる。むしろ、さらなる円安進行は必然かもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はここ最近形成していたレンジを上抜け、一気に130円台へ。ポジションの偏りなどを別にすれば、ドルのリスクは上向きで続伸にも要注意。なお、130円を超えたことで、チャート的には再び軽い青天井状態で、目立ったテクニカルポイントはしばらくうかがえない。ただ、あくまで中期的なメドとしては、前記した133.84円、あるいは2002年高値の135.20円などが意識されている。

材料的に見た場合、中長期的には、米USTRが発表した年次報告で、知財保護の強化を要求したことが明らかになった「中国情勢」。欧州委員長が「コロナからの危機的状況は脱した」との認識を示したことが話題となっている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1-3月期のGDP速報値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表、そのほか米企業を中心とした決算発表も相次ぐ見込みだ。ただ、決定事項という意味では少し材料に乏しい感も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.50-130.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である130円半ばが最初の抵抗。上抜けると青天井だが、それでも台替わりとなる131円レベルが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、しっかりと上抜けた感のある130円レベルの攻防にまず注目。あっさりと割り込めば129円台をスルーし、128円台へと深押しが入る危険性もある。

20年ぶりの130円台乗せ、ドルは高原推移

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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