ドル円、日銀による予想外なハト派スタンス明確化を受けて131円台へ急上昇(4/29朝)

28日(木)のドル円相場は急上昇。

ドル円、日銀による予想外なハト派スタンス明確化を受けて131円台へ急上昇(4/29朝)

ドル円、日銀による予想外なハト派スタンス明確化を受けて131円台へ急上昇

〇ドル円、日銀政策決定会合での指値オペ常設化サプライズに一時131.25まで急伸
〇引けにかけ小反落、130円台後半で推移
〇ユーロドル、欧州時間に1.0564まで上伸後に失速、約5年3ヵ月ぶり安値1.0472まで急落
〇地政学的リスクの高まり、欧州経済の失速懸念、米金利上昇、独4月CPI上昇加速等が背景
〇ドル円、わずか3ヵ月で17円78銭もの急騰、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズもドル円相場の続伸を連想させる材料揃う
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想、ターゲットは2002年1月高値の135.16
〇本日の予想レンジ:129.75ー131.75

海外時間のレビュー

28日(木)のドル円相場は急上昇。@日銀金融政策決定会合のハト派的な結果(声明文内に「上記の金融市場調節方針を実現するため、10年物国債金利について0.25%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施することとした」との文言を追加→市場ではイールド・カーブ・コントロールの弾力化を通じたタカ派姿勢への転換を予測する向き大勢であったが、結果的にはむしろハト派姿勢の明確化に繋がる指値オペ常設化をサプライズ決定)、A黒田日銀総裁によるハト派的な発言(全体として円安がプラスとの評価は変えていない)、

B上記@Aを背景とした円金利の急低下と株式市場の急上昇(円金利低下に伴う円売り圧力と株高に伴うリスク選好の円売り圧力)、C大型連休前の実需(本邦輸入企業)のドル買い圧力、D米金利上昇に伴うドル買い圧力、E心理的節目130.00および131.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間にかけて、2002年4月以来、約20年ぶり高値となる131.25まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/29午前5時25分現在)では、130.82前後で推移しております。尚、昨日発表された米1ー3月期実質GDP速報値は前期比年率▲1.4%と市場予想の+1.0%を下回る冴えない結果となりましたが、ドル円相場への影響は限定的となりました。

28日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。欧州時間朝方に高値1.0564まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まり(ウクライナの首都キエフのクリチコ市長はロシア軍の発砲によりキエフ中心部で2回の爆発が起きたと投稿)や、A欧州経済の失速懸念(ロシアはルーブルで支払わない買い手へのガス供給を遮断する予定と発表)、B米金利上昇に伴うドル買い圧力、Cドイツ4月消費者物価指数速報値(結果+7.4%、予想+7.2%、※前年比)の伸び率加速、C上値の重さを嫌気した短期筋のストップSELL(心理的節目1.0500の下方ブレイク)が重石となり、米国時間にかけて、2017年1月以来、約5年3ヵ月ぶり安値となる1.0472まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/28午前5時25分現在)では、1.0505前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時131.25まで上昇するなど、2002年4月以来、約20年ぶり高値圏へと急伸しました。1/24に記録した年初来安値113.47をボトムに、わずか3ヵ月で17円78銭もの急騰劇を演じた計算となります。この間、ローソク足が全てのテクニカルポイントを上抜けした他、下位足から上位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(来週の米FOMCでタカ派スタンスが明確化される公算大)や、A日銀によるハト派傾斜観測(指値オペ常設化を通じた円金利の抑制方針明確化。黒田総裁は円安が全体としてプラスとの評価を維持)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り圧力)、C貿易赤字拡大に伴う恒常的な円売り圧力など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(次のターゲットは2002年1月高値の135.16)。尚、本日より本邦ゴールデンウィークに突入するため、アジア時間帯は流動性の欠如の隙をついたボラティリティの急拡大に注意が必要でしょう(特に本邦政府・当局者による円安牽制発言などには引き続き要警戒)。また、海外時間帯は、米3月PCEデフレーターや、米4月シカゴ購買部協会景気指数、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数などの米経済指標に注目が集まりそうです。

本日の予想レンジ:129.75ー131.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日銀による予想外なハト派スタンス明確化を受けて131円台へ急上昇

ドル円日足

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