シカゴポジション(CME)330
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年04月12日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは円を除いて、米ドル売りになりました。ただポジション的にはオセアニア通貨がこれまでのオセアニア通貨ショート・米ドル買いの戦線縮小をしています。一方、円とユーロはドルに対して真逆の動きになり、このパターンが続けば一段のユーロ高円安の相場観になります。
さて、豪ドルは押し目でポジションを減らしてきており、豪ドル先安の相場観を解消してきています。NZドルも完全にスクエアとなり、現在の相場自体はほぼ4通貨共に米ドル高になっていますが、シカゴ自体が米ドル全面安の流れから変える可能性もあります。豪ドルはやっとコスト付近まで下がってきているので、これまでの相場観を踏襲するのか、あるいは完全に豪ドルポジションをスクエアにし、その後の数週間経過したネットポジションの流れをみたいと思います。ユーロが対ドルで非常に弱いにも関わらず、再度ユーロロングを積み上げ始めているので、このまま目安となる5万枚になれば、その後は時間経過で10万枚方向になります。これに続いて、オセアニア通貨が自国通貨へのロングに切り替えてくると、大きな流れが変わる切っ掛けになりそうです。シカゴの次の展開に期待します。
ドル円は円全面安の流れに沿って、一段とドルロングを積み増してきました。まだ目安の10〜11万枚に留まっていますが、次週以降12万枚を越えてくると次は14〜15万枚です。明日の締日でドルロング増になれば、まだドル円の天井とは見ていないと思います。ユーロドルの5万枚方向と合わせて、ポジション待ちになります。
先週のシカゴは、ロングは800枚増、ショートも僅か400枚減で、ネット1,200枚のショートポジション減となりました。ほとんどスクエアでシカゴは相場観がなくなりました。シカゴはNZドルに対して、上下で右往左往しているようです。チャートを見ても、赤のNZドル安トレンドライン0.6730〜0.7080内にある、黒のサポートライン0.6800を守り12日締日を迎えていますが、現在のスポット0.6727は完全に下抜き、終値ベースの上記トレンドライン下限も割り掛けています。明日の締日でこの0.6730付近は注目される終値になりそうです。
さて実際の相場も、短期NZドル高トレンドライン0.6840〜0.7040レンジの上限(高値は4月5日に0.7035)に達してから、先週は13日に下抜けました。短期的にはNZドル安方向に進んでいます。現在のスポットは3月15日底値の0.6728でダブルボトムになっていますが、これを切れてしまうと一段安トライになります。この場合は0.6680、0.6630、0.6590の順にサポートあり、最大で0.6530の1月下旬底値のダブルボトム方向です。チャートを見る限り、NZドル安を示唆していますが、シカゴは僅かのショートポジションも手仕舞いしています。本来なら売り上がりでショート積み上げにする場面でしたが、全く上手く対応できていないようです。尚、上値は0.6790、0.6840の順に抵抗線があり、後者を越えて行かないとNZドル高トレンドには戻れません。(1NZドル=0.6727米ドル、4月18日14:20)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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