NYは3連休前、調整の動きなどにも注意(4/14夕)

14日の東京市場はドルが小安い。ただ、それでも終日を通して125円台。ドルの下値はかなり底堅かった。

NYは3連休前、調整の動きなどにも注意(4/14夕)

NYは3連休前、調整の動きなどにも注意

〇本日のドル円、徐々に売り優勢で昼過ぎに125.10レベルの日中安値まで値を崩す
〇日米の金利差と赤字が続く「日本の貿易収支悪化」も円売りの背景のひとつに
〇明日からNYなどはロング・ウィークエンドに、カレンダー的な要因に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは124.70-125.90
〇ドル安・円高方向は本日東京安値にあたる125.10レベルが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドルが小安い。ただ、それでも終日を通して125円台。ドルの下値はかなり底堅かった。

ドル/円は125.65円レベルで寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。しかし、徐々に売りが優勢になると、昼過ぎには125.10円レベルの日中安値まで一時値を崩している。日経平均など株価の動きをにらみつつ、本日も当局者などからの口先介入が相次ぎ、ドル/円の高値トライなどは取り敢えず見送りとなっていたようだ。ちなみに、若田部日銀副総裁からは「為替市場はファンダメンタルズ反映し、安定推移が望ましい」とのコメントが聞かれていた。16時現在、ドル/円は125円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、国連事務総長から「ウクライナにおける人道的停戦の実現は現時点では不可能」とした悲観的な見解が聞かれるなか、ロシアの強固なスタンスが改めて示されたと一部で話題に。そのひとつは、同国外務省が報復措置として米上下両院の議員398人、そしてカナダ上院議員87人に対しても「入国禁止措置などの制裁を科した」と発表したこと。また、ウクライナから求められた「戦争捕虜解放」を一蹴したことも明らかとなっている。まだまだ混とんとした状況は続く見通しだ。

対して後者は、前日に米ジョンズ・ホプキンス大学の推計で、これまでの世界の総感染者が5億人を超えたとされるなか、米国でも感染が拡大傾向に。それを受け、バイデン政権は公共交通機関でのマスク義務を5月3日まで延長すると発表している。また、それとは別に、中国では習国家主席が「新型コロナ感染抑制策や制限措置を緩和すべきでない」という認識を示したとメディアで報じられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日東京の夕方一時20年ぶりの高値となる126円台、具体的には126.31円まで値を上げたドル/円だったがその後は若干落ち着いた値動き。本日東京時間も125円台を中心とした一進一退となっている。日本の当局者などによる執拗な円安けん制発言もあり、足もとは小康だが、リスクそのものは引き続きドル高方向にバイアスか。何かキッカケさえあれば、再びドル高・円安方向へと一気に振れる可能性も。
足もとを含む「ドル高・円安」基調の根本にあるのは日米の金利差。そして、ブルームバーグでも報じていたように、赤字が続く「日本の貿易収支悪化」も円売りの背景のひとつになっていることは間違いない。いずれにしても、今すぐにでも対応そして改善可能といったものではなく、流れを反転させることはなかなか難しいものがありそうだ。本邦要人などの「口先介入」だけで、ドル高・円安基調を食い止めることは難しいと言わざるを得ない。

テクニカルに見た場合、昨日2002年5月以来の高値を付けたドル/円だったが、足もとはやや落ち着いている。ただリスクは依然としてドル高方向で、昨日高値126.31円を超えれば、目立った抵抗もないだけに、再びドル高の進行が加速する可能性も。
その一方、再び調整によるドルの下押しを警戒する声も多く、その場合のターゲットはまず12日安値の124.76円となりそう。

材料的に見た場合、中長期的には親ロシア派政権が続く旧ユーゴスラビアのセルビアに、地対空ミサイルを納入したことが明らかになった「中国情勢」。ドイツがロシア産エネルギー輸入中止なら今後2年間で2200億ユーロの打撃を受けるとの分析も伝えられている「エネルギー・穀物相場」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月の小売売上高や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、ゴールドマン・サックスやシティグループなどによる決算発表も予定されている。また、明日からNYなどはロング・ウィークエンドとなるだけに、カレンダー的な要因にも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは124.70-125.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の125.70円前後の攻防にまずは注目。抜ければ、昨日記録した年初来高値の126.31円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、やはり本日東京安値にあたる125.10円レベルが最初のサポートとして意識されそうだ。割り込めば124.76円を目指す。

NYは3連休前、調整の動きなどにも注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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