トルコ中銀、検察の標的に(2016年9月8日)

ブルームバーグによれば、トルコで7月に発生したクーデターの首謀者とされるギュレン師の組織に対する検察の起訴状の中で、

トルコ中銀、検察の標的に(2016年9月8日)

トルコ中銀、クーデター派支配の疑いで検察の標的に

紙幣のハレー彗星のイメージが中銀ギュレン派の証拠!?

ブルームバーグによれば、トルコで7月に発生したクーデターの首謀者とされるギュレン師の組織に対する検察の起訴状の中で、トルコ中銀がギュレン師を支持する人々によって占拠されていると指摘、その証拠として中銀の発行する紙幣すべてにハレー彗星が描かれていることが挙げられているとのことです。

トルコではクーデター未遂の後エルドアン大統領が独裁的傾向を強め反対派の徹底的粛清を推し進めていると伝えられており、軍人を中心に逮捕・拘束者4万人、裁判官、教員、官僚らの公職追放8万人、閉鎖されたメディア130社、学校、病院2,300に及んでいるといわれていますが、これまで中央銀行が粛清の対象になったとの話は伝わっていませんでした。

中銀の独立性以前、中世の魔女狩り?

起訴状はクーデター以前の日付に提出されているとされており、今回のクーデターとは直接は関係ないようですが、逆にクーデターも無いのに「紙幣にハレー彗星が描かれている」ことを理由に中銀に反体制派のレッテルを貼り粛清しようとしていたのであれば事態はより深刻と言えます。

とても現代の民主主義国家で起きているとは思えない、まさに中世の魔女狩りを彷彿とさせる今回の起訴状ですが、背景としては以前より自らの利下げの要求になかなか従わなかった中銀にエルドアン大統領が相当いらだっていたことは想像に難くありません。

とはいえ、もしこれが本当にまかり通るのであれば、中銀の独立制以前の問題と言わざるを得ず、トルコの金融制度の信用に大きく傷がつくと言わざるを得ません。
尚、このブルームバーグのニュースに今のところ為替市場は反応していません。

裁判は11月に予定されているとのことです。

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