南アランド週報:『約3年8ヵ月ぶり高値圏へ急伸。南ア中銀のタカ派傾斜が背景』(3/26朝)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.95円で寄り付いた後、早々に週間安値7.94円まで下落しました。

南アランド週報:『約3年8ヵ月ぶり高値圏へ急伸。南ア中銀のタカ派傾斜が背景』(3/26朝)

『約3年8ヵ月ぶり高値圏へ急伸。南ア中銀のタカ派傾斜が背景』

〇今週の南ア円、週明け7.94に下落後、週後半にかけて8.43まで急伸
〇南ア景気先行指数の堅調、ドル円での円安進行、資源価格の底堅さ等がサポート
〇南ア中銀3会合連続で0.25%利上げ実施、参加者のタカ派姿勢強まる
〇南ア円、約3年8ヵ月ぶり高値に急伸、テクニカル的に見て地合いは「極めて強い」と判断
〇ファンダメンタルズも資源価格の高騰、南ア中銀の多寡は傾斜等南ア円上昇要因増える
〇ただし中期的には米金利の上昇加速、電力不足、高失業率等の問題も残る
〇短期的な南アランド円相場の上昇を予想しつつも、一巡後の反落リスクを警戒
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.15ー8.55

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今週のレビュー(3/21−3/25)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.95円で寄り付いた後、早々に週間安値7.94円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、@南ア1月景気先行指数(結果127.3、前回126.2)の良好な結果や、A片岡日銀審議員による円安容認発言(同氏は「円安の影響、全体的な効果はプラス」「円安のデメリットは非常に小さい」と発言)、Bコモディティ価格の底堅い動き(南アフリカの交易条件改善期待)、C南ア中銀による予想以上のタカ派傾斜(南ア中銀は3/24に3会合連続となる25bpの利上げを実施した他、5名の内2名が50bpの利上げを支持。前回会合時は5名の内4名が25bpの利上げを支持し、内1名が据え置きを支持していたため、今回の会合は予想以上にタカ派的だったとの見方が優勢)が支援材料となり、週後半にかけて、2018年8月2日以来、約3年8ヵ月ぶり高値となる8.43円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/26午前5時00分現在)では8.38円前後で推移しております。

来週の見通し(3/28−4/1)

南アランド円相場は昨年11/26に記録した直近安値6.93円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約3年8ヵ月ぶり高値となる8.43円(2018年8月2日以来)まで急伸しました。この間、主要なテクニカルポイントを全て上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(目先は90日線と200日線のゴールデンクロスが実現するか否かに注目。実現すれば強気のパーフェクトオーダー点灯でもう一段市場心理が改善する可能性あり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクが資源価格の高騰を促していること(南アフリカの主要産品である金やパラジウム価格の高騰→南アフリカの交易条件改善)や、Aインフレ昂進に伴う南ア中銀のタカ派傾斜観測(今週開催された南ア中銀金融政策決定会合でも5名の内2名が50bpの大幅利上げを支持)、B日銀による金融緩和の長期化観測および円安容認姿勢、C上記ABを背景とした南アフリカと日本の金融政策格差(南アフリカと日本の名目金利差拡大→南アランド買い・円売り圧力)など、短期的な上昇要因が複数揃っています。

但し、中長期的に見れば、D米FRBによるタカ派傾斜が南アランドの重石となり得る他(米長期金利上昇→新興国から米国への資金流出加速)、E南アフリカにおける慢性的な電力不足(国営電力会社エスコムによる相次ぐ計画停電→南ア経済への下押し圧力)、F過去最大規模の失業率(南アフリカ国内の政情不安定化リスク)など、南アランド円相場の潜在的な下落要因も残っています。以上を踏まえ、当方では短期的な南アランド円相場の上昇を予想しつつも、一巡後の反落リスクを警戒いたします(尚、来週は南ア2月生産者物価指数、南ア2月貿易収支、南ア10ー12月期失業率の結果に注目)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.15ー8.55

注:ポイント要約は編集部

『約3年8ヵ月ぶり高値圏へ急伸。南ア中銀のタカ派傾斜が背景』

南アランド円日足

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