米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(2日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2022年2月18日以前までとなっています。内容的には前回と比較して、今回はオミクロンの影響で成長ペースは緩やかだったとしています。但し、物価上昇が非常に強く、今後数ヶ月も更に上昇圧力あると見ています。
以下はベージュブック主要項目の和訳です。
全般的な経済活動
1月中旬以降(前回会合以降)の経済活動は緩やかなペースで拡大している。多くの地区でCovid-19症例の拡大により、企業は高まる欠勤に直面し、一時的に経済活動を混乱させたと報告している。幾つかの地区では、接客部門が症例の高まりで一時的に需要低下を起こしている。また厳しい冬の天候により活動が混乱したことを引用している。その結果、消費支出は全般的に前回報告より弱かった。自動車販売に関する報告は強弱入り交じっている。製造業活動は引き続き緩やかなペースで伸びている。全ての地区で、供給チェーン問題と低在庫率が成長を抑止した。とりわけ建設部門で見られる。銀行からの聞き取り報告では、ローン需要は全般的に変わっていないけれども、金融情勢で幾つかの弱さを指摘している。
居住不動産の需要は全般的に強い。多くの地区で季節要因や低在庫率による住宅販売の変化は無かったと報告している。農業は幾分混在した内容を報告している。幾つかの地区では成長状態の困難さを経験している一方、穀物価格上昇の恩恵を受けているところもある。エネルギー部門の報告では、緩やかな伸びを指摘している。地区の報告内では、不確実性が高まっていることを強調しているが、次の半年間の全般的な経済見通しは安定的で全般的に楽観的であるとしている。
労働市場
雇用は緩やかなペースで伸びた。幾つかの地区では労働供給改善の兆候が広がっているとの報告あるが、労働者への幅広く強い需要がある一方、同じように幅広い労働者不足の報告で動きが妨げられている。多くの企業は高い離職率の為に、スタッフの水準を維持することが困難だった。労働者と企業は前回のコロナの波よりは素早く回復したものの、この課題は1月のCovid-19の混乱で拡大された。企業は引き続き労働者…とりわけ歴史的に低賃金状況にある労働者…を引き留めるために報酬を増やしたり、職場の柔軟性を導入し、うまく対応した。聞き取りの報告によれば、2・3の地区で賃金の伸びが緩やかになった兆候があるとの報告もあるが、労働市場のタイト化やその結果生じる強い賃金の上昇は続くと見ている。
物価
消費者に転嫁された物価は国全体に亘り強いペースで上昇した。2・3の地区は価格上昇が加速していると報告している。仕入れ価格の上昇が幅広い業界で主要な上昇要因として挙げられる。とりわけ、上昇する輸送コストが著しい。労働コストは上昇し、進行中の材料不足もまた仕入れ価格上昇に寄与している。企業は消費者に価格を乗せていると報告している。ほとんどのケースで、物価上昇にも関わらず需要は強いままである。企業は、仕入れコスト上昇を転嫁続けるので、今後数ヶ月で追加の価格上昇を予想している。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(上記出所:FRB HP)
下図は少し長めのドル円日足チャートです。トレンドはドル高を示唆しています。
昨年9月底値のサポートA(=114円90銭)に支えられて、ドル高を形成しています。一方で上値は高値を結んだ抵抗線B(=117円70銭)でドル上昇ウェッジを形成しています。2022年はドル高下で収斂を続けていますので、そろそろ動き始めてもおかしくありません。もしAを切れたら、Bから平行線に下したC(=114円40銭)に次のドル高サポートがあります。一方で、上値はBをトライする前にD(=116円40銭)のトリプルトップ狙いの抵抗線あります。AとD間でどちらにブレークするかを見たいと思います。
(2022年3月3日10:40、1ドル=115円59銭)
オーダー/ポジション状況
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