シカゴポジション(CME)318
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年01月18日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴは上記4通貨共に米ドル売りになりました。但し、オセアニア通貨はポジション調整程度になっています。まだ豪ドルもNZドルもショートは比較的大きいままです。その豪ドルは両サイドのポジションを減らし、総枚数も2020年8月以降では過去最低数に近い10万枚近くとなっています。先週の相場はややシカゴのポジション方向に行っていますが、ここ1年以上は締日ベースで昨年12月底値0.7100を割れる動きとはなっていません。一方で、豪ドルショートの期間(昨年6月初から開始して8ヶ月経過中、最長は2年間がありますが、この期間中8〜9ヶ月経過で一度手仕舞いしています)も長くなっているので、一度手仕舞いの可能性が高くなっています。NZドルはショートに切りかえて1ヶ月以上経過しましたが、相変わらずコスト悪いので、やり直しの可能性もあり、きっかけは豪ドル次第になりそうです。そしてタイミング的にはFOMC後の値動きが注目されます。その場合にはかなりの枚数を買い戻しするので要注意になります。
ドル円はややポジョション調整してきましたが、片サイド(今回は円ロング)が1万枚以下になったのは記憶になく、2018年までは遡りましたがありませんでした。これは完全にドル先高観に賭けたポジションです。内容的には年始ドル高値の水準でリスク回避し円買いしたポジションを手仕舞いしたとしか思えません。今回の18日締日までの底値が113円49銭でしたので、ベストなら113円台半ば辺りで買い戻していることになります。従い、相場が112円台や110円方向になった時は要注意です。逆に、116円台になれば再度リスクヘッジの円買いをする可能性が高いと思います。ユーロはロングを積みましてきました。目安となる5万枚を越えればユーロ先高観になります。もしそうなるとドル全面高の相場が変わってきます。
先週のシカゴは、ロング700枚増、ショート400枚増で、ネット300枚のショートポジション減になりました。これで4週連続8,000枚台になっており、NZドル先安観を維持しているものの、ここからはショートを増やしていないので、NZドルがそれほど大きく下がるとは見ていないようです。ショートのコストは悪く(ベストでも0.6810絡み)、相場が僅かとはいえNZドル安になり、そこで買い戻しているので、腰が引けたショートになっています。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6760〜0.7110の下限に掛かってきています。完全に切れてくれれば、ショートキープになりますが、際どい水準に留まっています。現在のスポットは切れていますが、明日の締日でこの水準をみます。維持した場合は黒の抵抗線の0.6950辺りに戻るか否かを見たいと思います。
さて実際の相場は、日足ベースで昨年12月下旬底値からの0.6750〜0.6900のNZドル高トレンドラインをブレークし、丁度昨年12月底値の0.6700〜10で止まっています。NZドル安リスクが高くなっています。昨年3月底値起点に次の底値を結んだサポートラインが0.6650〜60にあり、0.67切れ後にトライすると思われます。上値はこれまでのサポートだった0.6750を越えると今回は一度底値を付けた形になります。この場合シカゴはショートカバーの可能性が高くなりそうです。(1NZドル=0.6721米ドル、1月24日13:45)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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