トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値8.19レベル高値8.94レベル、狭い値幅で横方向の取引
〇CPI予想大幅超えで週間安値つけるがリラ買い介入で上昇、週末にかけ安値圏へじり安展開
〇更なる上昇予想されるインフレ率、低金利政策、介入でリラ支えるのは困難か
〇今週は失業率、鉱工業生産などの経済指標発表予定、上値重い展開は続く
〇今週は7.90レベルをサポートに8.90レベルをレジスタンスとする週とみる
今週はトルコリラ円です。
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「8円と9円の大台をそれぞれ外側に広げ7.75レベルをサポートに9.25レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.19レベル、高値が8.94レベルとなり、予想よりも狭い値幅で横方向の取引が続きました。
先週のトルコリラは週初3日に発表されたCPIが予想の30.6%に対して36.08%と大幅に上昇し格付け会社が懸念した2022年の早い段階で30%を超えてくるとの見通しを早くも12月分のCPIで超えてくる結果となりました。この結果を受けてトルコリラ円は8.19円と週間安値をつけましたが、引き続きトルコリラ買い介入が出ていたようで、トルコリラは対ドル、対円とも上昇しました。しかし、その後は週末まで一週間かけて週初の安値圏へとじり安の展開を辿っています。
やはり今後も更なる上昇が予想されるインフレ率とエルドアン大統領が進める低金利政策に挟まれてトルコ中銀が動けない状況が続く限り、トルコリラはどこかでまた崩れると考えざるを得ませんし、流れに逆らった介入だけでトルコリラを支えらえるとは思えません。今月20日の中銀会合ではさすがに現状維持だとは思いますが、一部では利上げ期待もあるようでこのあたりは直前の来週のレポートで再度見て行きましょう。
今週はトルコ国内では失業率、鉱工業生産といった経済指標が出てきますが、何も無くても上値の重たい展開が続くでしょうし、防衛策を出すという思惑もありますが、2度目以降のサプライズはサプライズにすらならないことが多いため、エルドアン大統領が宗旨替えして低金利政策をやめる以外に現在のトルコリラ安を止めることは出来ないでしょう。この宗旨替えがあれば、これは大きなサプライズでトルコリラの買い戻しに繋がりそうです。
今週は特段気になるテーマもありませんのでテクニカルに移ります。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
史上最安値を付けた後の預金保護政策により反騰した後は最安値と戻り高値の半値押しの水準で膠着しているものの上値は重くじりじりと水準を下げてきています。テクニカルには61.8%押しの7.99、大台8円トライが今週中にもありそうです。いっぽうで介入による戻りは着実に弱くなってきていることから、上値は先週の高値圏で抑えられる可能性が高そうです。
今週は7.90レベルをサポートに、8.90レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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