南アランド週報:『利上げ観測を背景に底堅く推移。但しここからの続伸余地は乏しいか』(1/8朝)

南アフリカランド円相場は、週初に記録した安値7.18円をボトムに反発に転じると、週末にかけて11/16以来、約1ヵ月半ぶり高値圏となる7.44円まで急伸しました。

南アランド週報:『利上げ観測を背景に底堅く推移。但しここからの続伸余地は乏しいか』(1/8朝)

今週のレビュー(1/3−1/7)

〇今種の南ア円、世界的リスク選好ムードと中銀追加利上げ観測に週末にかけ7.44まで上昇
〇一目均衡表「雲」下限、90日線を上抜け、地合い改善するも「雲」上限控え続伸は容易でない
〇中銀利上げが一時南ア円を支えたとしても、先行き不透明感強く一巡後は反落か
〇南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.19円で寄り付いた後、早々に週間安値7.18円まで下落しました。しかし、昨年12/30に記録した安値と同水準で下げ渋ると、@世界的なリスク選好ムード(年明けの株式市場が堅調に推移)や、A南アフリカにおける新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る過度な悲観論の後退(ドイツによる南アフリカへの渡航制限解除)、Bテクニカル的な地合いの強さ(ローソク足が一目均衡表雲下限及び一目均衡表転換線を上方ブレイク)、C南アフリカ中銀の追加利上げ観測などが支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.44円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/8午前5時00分現在)では7.42円前後で推移しております。尚、1/2に南アフリカの首都ケープタウンの国会議事堂で火災が発生しましたが、市場の反応は限定的となりました。

来週の見通し(1/10−1/14)

南アフリカランド円相場は、週初に記録した安値7.18円をボトムに反発に転じると、週末にかけて11/16以来、約1ヵ月半ぶり高値圏となる7.44円まで急伸しました。この間、一目均衡表雲下限や転換線、90日移動平均線を上抜けするなど、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、上方に主要レジスタンスポイントとして意識される一目均衡表雲上限が控えている為、ここからの続伸は容易では無いと考えられます(余程強い南アランド買い材料が出てこない限り、続伸余地は限定的。足元の上昇は中長期下落トレンドの過程で見られる一時的な反発局面と整理→一巡後の反落リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@新型コロナウイルスを巡る世界的な感染拡大懸念(重症化リスクは低いものの、病床逼迫リスクに警戒)や、A国営電力会社エスコムによる計画停電の長期化観測(南アフリカ経済の先行き不透明感→今週発表された南ア12月民間部門PMIは48.4と好不況の分かれ目となる50を下回る冴えない結果)、B与党・アフリカ民族会議の求心力低下(南アフリカの政情不安定化リスク)、C米FRBによるタカ派転換(米早期利上げ観測→米金利急上昇→新興国から先進国への資本流出懸念)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が複数揃っています。

南ア中銀による追加利上げ観測(市場では1月及び3月の政策決定会合で南ア中銀が各々25bpの利上げに踏み切るとの見方が根強い)が一時的に南アランドを下支えする可能性はあるものの、先行き不透明感が根強い中での利上げ実施は、経済への下押し圧力を通じて、国民不満を高める恐れもあるため、一巡後は再び反落に転じるシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

注:ポイント要約は編集部

今週のレビュー(1/3−1/7)

南アフリカランド円日足

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