米11月PCEとPCEコア予想
本日、米国の11月PCEとPCEコアが発表されます。FRBのインフレ指標として1つの目安となっています。前回10月はほぼ予想通りでしたが、予想を上回る個人消費支出の大幅な伸びに金利先高観からドル買いになりました。相場は115円00銭付近で推移していましたが、インフレリスク高いとの見通しにNY時間に115円52銭の今年最高値を付け、115円42銭で引けています。その後の1ヶ月でこの高値を越えていないので、今回の数値で、ダブルトップを狙う動きが年内にあるか試されています。
さて、今回11月は第4四半期2回目の数値ですので、予想通り上昇する結果になると、単純平均4.3%になります。先週のFOMC時に公表された2021年末は4.4%(9月時3.7%)ですので、ほぼ予想通りの流れになります。月次ベース計算すると、今回が予想通り(前月比では0.4%)になり、12月が前月比0.4%の伸びで来月はFRB予想数値が達成されます。従いまして、もしレンジ上限を越える結果になると、10年債金利へ影響がでると思います。因みに、前回発表時(11月24日)の10年債について、23日終値1.67%、発表当日に1.69%の高値を付け終値1.65%、26日の感謝祭明けの金曜日終値は1.48%まで軟化しています。材料出尽くしの債券買い戻しになりました。今回は22日終値が1.45%ですので、今日の結果で1.40%に近づくか、1.50%に近づくかの動きで来週以降のFX相場に影響が出ると思います。
また、前回同様に、個人消費支出が大きなカギを握りそうです。11月の小売売上高が予想0.9%を大きく下回る0.3%(10月は1.8%)でしたので、もしレンジ下限のマイナス近くまで下がると要注意になります。
今日はこの指標の他に新規失業保険申請件数、11月耐久財受注、12月ミシガン大消費者態度指数、11月新築住宅販売件数が発表されます。
2021年12月23日9時現在予想
米国CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)前年比ベース推移
黒より右が今回の11月予想値、赤はFRBのインフレ目標値、緑が12月FOMC会合時の2021年末予想値4.4%です。青のCPIコア11月は発表済
下図はドル円の日足チャートです。先週16日の鉱工業生産指数時に添付したチャートの続きです。水色の矢印が15日終値です。あれから5営業日経過しましたが、まだA(=113円10銭)とC(=114円60銭)のドル高トレンドライン内で推移しています。大きなレンジはAとB(=116円40銭)ですが、このCとBに移行できないでいます。先週はFOMC後の材料出尽くしで16日に陰線引け、翌17日に113円23銭の長い下ヒゲ作り、D(114円00銭)に沿って回復しています。今日以降このDを割ると、再度AとC内で下限をトライする動きになり、逆にCを越えれば、一段上のレンジに移行できます。DとCが114円00銭〜60銭ですので、明日からのクリスマス休暇前にブレークするか上記の指標で確認したいと思います。
(12月23日10:40 1ドル=114円14銭)
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