シカゴポジション(CME)313
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年12月14日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、4通貨まちまちの動きになりました。全般的にはクリスマス休暇を控えて、ポジション調整の動きでしたが、NZドルはポジションをひっくり返してきました。
最初に、豪ドルはやや米ドルロングを減らしポジション調整の動きになりました。ほぼ相場観に沿ったポジションでしたので、クリスマス前の利確と思われます。まだ目安の5万枚以上をキープしているので、豪ドル先安観は維持しています。ポジションキープの期間もまだ十分余裕あるので、このままなら新年度のシカゴは豪ドル先安としての動きが先行する見込みです。
NZドルはポジションをひっくり返してきました。完全に損切りとなりました。これでオセアニア通貨の括りとして同一歩調になりました。
12月8日〜14日までのレンジが0.6735〜0.6824なので、持ち値は0.68絡みと見ておきます。オセアニア通貨先安観で動くと見ますが、まだネットポジションが1万枚を越えていないので、NZドルの相場観としてはニュートラルです。豪ドルがショートを減らしてくれば、NZドルはこのままスクエアで動く可能性もありますので、暫くはネットポジションが1万枚越えになるかを見ておきます。
ドル円は一段とポジション調整しています。ポジション保有期間が長くなっているので、ドルロングでネット5万枚を切ってくれば、一度ポジションを手仕舞いする可能性が高くなっています。次のドルの押し目か戻り高でのポジション残高を見たいと思います。またロングのコストもあまり良くないので、分岐点としては112円付近を割れてきた場合のシカゴの対応をみます。
ユーロドルは大きくユーロが下げていますが、まだポジョションを膨らませる動きが全くなく、ほぼ17週近くもスクエアに近く、かつポジションが5万枚を切った時のユーロドルの締日終値が1.17付近でしたので、レンジとして500ピップスのユーロ安を見送ったことになります。ここからユーロショートを積み上げてくるとかなりの下値をみていることになります。
先週のシカゴは、ロング18,300枚減、ショートも1,800枚減で、ポジションをひっくり返し、ネットショート5,800枚としました。結局相場観通りのポジションにならず、損切りしたことになります。現在は目安の1万枚を越えていないので、まだスクエアと見ておいた方が良いと思います。これでオセアニア通貨は先安観で足並みを揃えましたが、上手く回転している豪ドルを手仕舞いしてくる可能性もあるので、再度NZドルロングもあり得ます。暫くは両通貨の動向をみます。チャートを見ると、先週の締日は赤のNZドル安トレンドライン0.6760〜0.7110の下限を切って終っていますので、損切りも止む無しと思います。このまま2〜3週間程度で一段安になれば、NZドルショートの積み増しがあると思います。
さて実際の相場は、先週コメントした、8月中旬底値0.6800付近のサポートを下抜け、この8月底値と2週前の底値を結んだサポートが0.6720〜30にあるとしましたが、先週も下ヒゲで0.6701まで下がり、終値0.6728でサポートを守りました。今週はこの0.6700未満で終わると一段安トライになります。この場合は0.6660、0.6600〜10のサポート狙いになります。上値は0.6780〜90、0.6830、0.6870の順に抵抗線があり、最後越えるとNZドル弱いながらも一段の戻り高を狙える相場になります。シカゴが豪ドルのショートを手仕舞いしてくる動きになればNZドルの戻りも期待できそうです。(1NZドル=0.6723米ドル、12月20日13:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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