米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(21/12/14)

日本時間2021年12月16日木曜日夜中未明に発表予定です。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(21/12/14)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

NY時間12月15日14時(水曜日)にFOMC会合の記者発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1)政策金利(12月14日 12時00分現在の予想)

現在のFFレート「0.0〜0.25%」⇒据え置き
(レンジは0.00〜0.25%で1名除き据え置き予想、1名は0.25〜0.50%)
また、超過準備預金(民間銀行がFRBに預ける超過準備金)の付利はエコノミスト全員据え置き予想です。)



前回会合(11月3日)時は政策金利な据え置き、テーパリングは11月から実施となりました。
その記者発表要旨の一部内容は以下となっています。

(1)政策金利(12月14日 12時00分現在の予想)

上記のテーパリング段取りでいくと2022年半ばに債券購入が終了するスケジュールになっています。今回の会合で注目される議論は以下が予想されています。
@ FRB議長は11月末に「数ヶ月早いテーパリングの終了の可能性」を示唆しましたが、22年半ばをどの位前倒しするか。市場は22年3月末にテーパリング終了と見ている様です。
A 議事内容で利上げのタイミングに言及するか、それとも利上げ条件を示唆するか。(例えば、デイリーSF中銀総裁は12月3日に利上げの具体的計画を作成し始める必要ありと示唆しています。)
B 9月のドットプロット(下表ご参照)は2022年中の利上げ9名、利上げなし9名と分かれていましたが、今回はこの人数がどの様に変化するか。そして最大の上げ幅はどの位になっているか。

C PCEコアはFRBの9月時予想で2021年末3.7%(6月時3.0%)、2022年末2.3%(同2.1%)に上方修正されましたが、10月PCEコアは4.1%まで上昇し、かつ先週発表された11月CPIコアは4.9%になっているので、今回は一段と上方修正されると思います。特に2022年末の数値がどの位になっているか注目されます。インフレ一過性の文言がなくなるかも注目したいと思います。
D 11月下旬に大きく感染拡大したオミクロン株の影響をどの位まで勘案し、今回の会合に織り込むか。

(2)CME Fedwatch

僅か1ヶ月半で、利上げが大幅な前倒しになっています。特にIの2022年9月FOMCでは3回利上げ以上が27.8%となり、内訳は3回利上げ20.3%、4回6.4%、5回1.0%、6回0.1%になっています。今回12月のドットプロットが市場見通しを裏付けるかを見ます。

(2)CME Fedwatch

(11月2日現在:前回FOMC)

(2)CME Fedwatch 2枚目の画像

(12月14日時点:今回)


G、H、Iの「0.75〜1.0%」には1%以上の利上げ予想を含む

(2)CME Fedwatch 3枚目の画像

(今回9月)

(3)最近のFRB関係者の主な発言(最近20日間分程度)

12月4日 ブラード・セントルイス連銀総裁
「テーパリング完了前に利上げを検討することができる」
「テーパリングは来年3月までに終了すべき」

12月3日 デイリー・SF連銀総裁 
「予想よりも早期のテーパリングが必要となる可能性」
「利上げについての計画を作成し始める必要がある」

12月3日 バーキン・リッチモンド連銀総裁 
「長期的なインフレ期待は常に懸念事項」 
     
12月3日 クオーズFRB理事        
「テーパリング加速を支持」

12月3日 ボスティック・アトランタ連銀総裁
「テーパリングをできる限り早く終了させることに賛成」
「インフレが長期化すればするほどリスク高まる」

12月2日 メスター・クリーブランド連銀総裁 
「必要に応じて来年数回の利上げが可能」
「テーパリング加速によって早期の利上げが可能」

12月2日 ウィリアムズ・NY連銀総裁 
「FRBはテーパリング加速に取り組むだろう」

12月2日 パウエルFRB議長 
「次回の会合でテーパリングの加速を検討するのは適切」
「インフレが定着しないように手段を講じる意向」
「持続的なインフレのリスクが高まっている」
「インフレは広範囲に広がった」

12月1日 クラリダFRB副議長 
「FRBは注意深くインフレ指標を監視する必要」

12月1日 パウエルFRB議長 
「インフレに関する一過性という表現を止めるべき時がきた」

11月30日 パウエルFRB議長 
「数ヶ月早いテーパリングの終了を検討することが可能」

11月25日 デイリー・SF連銀総裁 
「来年1〜2回の利上げあっても驚かない」

2021年の委員会メンバーは以下です。
パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、
マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、
チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー

下記はドル円の週足チャートです。相場はドル高トレンドを継続しています。サポートラインA(=111円50銭)とそこから平行に上げたB(=116円10銭)とC(=117円40銭)でトレンドを形成しています。この間にある2020年2月高値からの横サポートD(=112円20銭)が下値を守っています。
今週は小売売上高、FOMC、欧米PMI指数、ECB金融政策など大きなイベントが続きますが、市場の思惑通りに来年からの利上げに繋がる内容にドルが買われ、BとC方向をトライする動きになるか、あるいは予想外となり、DとA方向への下押しになるか注目したいと思います。万一、Aが切れても2020年3月底値からのサポートE(=104円00銭)がドル高を守っています。
1つ懸念されるのは、チャート下部のRSIです。〇印でRSIがダブルトップになり、一方で、相場は新高値を更新しています。しかも直近に115円台半ばの高値を付けた時にはRSIが下がっている点は留意しておきたいと思います。尚、現在のRSIは63にあります。

(3)最近のFRB関係者の主な発言(最近20日間分程度)

(2021年12月14日14:30、1ドル=113円58銭)

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