米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表
(会合は2021年11月2・3日開催分)
11月3日(水曜日)にFOMC金融政策会合の記者発表要旨が公表されました。内容は金利面では据え置きとし、テーパリングについては11月下旬から開始することになりました。9月会合時に「テーパリングの過程は11月央か12月央に始まる毎月の購入日から始めることができると指摘した」とありましたが、その中間の11月下旬からの開始決定となっています。全般的には予想通りの内容になりました。次回12月(15日)会合で経済見通しとドットプロットがでますので、今から1ヶ月強の間の経済指標の進展具合を注視し、利上げ開始時期を探る動きになりそうです。
(1)FOMC声明文記者発表要旨
FRBはこの困難な時期に、米国経済を下支えするためにはあらゆる手段の手立てを使うことを約束する。それによって最大雇用と物価安定目標を促進していく。
ワクチン接種の進展や強い政策支援により、経済活動や雇用を示す指標は引き続き強くなっている。パンデミックにより最も不利な影響を受けた部門はここ数ヶ月改善した。しかし、この夏に上昇したCovid-19の症例はその回復を遅らせた。インフレは上昇し、主に一時的と予想される要因として反映されている。パンデミックや経済再開に関連した需給の不均衡は、幾つかの部門で相当大きな物価上昇に寄与している。全般的な金融情勢は依然緩和的であり、一部でその政策の反映により、経済並びに、家計や企業への信用供与を下支えしている。
経済の道のりはウィルスの経過次第の状況が続いている。ワクチン接種の進展や供給制約の緩和は、インフレ低下と共に、経済活動や雇用の継続的な拡大を支えると予想されている。
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%の達成が求められている。インフレ率がこの長期目標を下回り続けるなか、委員会はインフレが暫くの間2%を越え、その後平均2%のインフレと長期に亘るインフレ期待が2%に定着することを目標としている。委員会は、これらの成果が達成されるまで、金融政策の緩和スタンスを維持すると予想している。委員会はFFレートの目標レンジを0〜0.25%で維持することを決めた。それは、労働市場の情勢が委員会による最大雇用とインフレの評価と一致する水準に達し、かつインフレが2%まで上昇し、暫くの間は緩やかに2%を越える水準になるまで、目標レンジを維持することが適切であると予想している。
昨年の12月以降、経済が委員会目標に向けて一段と進展したことを踏まえ、委員会は、国債に対しては毎月の純購入額ペースを100億ドル、不動産担保証券に対しては同50億ドルを削減し始めることを決定した。今月末から始め、委員会は少なくとも毎月700億ドルの国債保有増、同350億ドルの不動産担保証券の保有増となる。12月初めから、委員会は少なくとも毎月600億ドルの国債保有増、同300億ドルの不動産担保証券の保有増となる。委員会は、おそらく純資産購入ペースの同様の減額が毎月行われることが適切であると判断するが、もし経済見通しの変更に正当化されるなら、購入ペースを調整する用意がある。FRBの債券の継続的な購入と保有が、市場機能や緩和的金融情勢を円滑にすることを促進するだろう。それにより、家計や企業への信用の流れを支える。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対する入手情報の含みを精査続けることになる。委員会は目標達成の妨げになるリスクが起きた場合には、金融政策を適切に調整していく準備がある。委員会の査定は幅広い情報を考慮した上で行われる。この中には公衆衛生、労働市場、インフレ圧力やインフレ期待、あるいは金融や国際情勢の進展具合も含まれる。
金融政策に対する賛成者:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー(全員一致です)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)CME Fedwatch
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上記はCMEのFedwatchです。僅か1日で先行きの利上げ気運が幾分萎みました。今後の経済指標次第でどの様に変化していくのかを見たいと思います。まずは明日の雇用統計になります。
ドル円の相場はFOMC会合の記者発表時に113円80銭〜114円20銭レンジで上下しただけとなり、NY終値は114円でした。FOMCは予想通りとの受けとめ方になっています。
(2021年11月4日10:20、1ドル=114円15銭)
オーダー/ポジション状況
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