ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)の予想
本日、ユーロ圏の11月消費者物価指数(HICP)速報値が発表されます。前回10月は予想を超える数値になり、今回11月も全体(4.5%予想)・コア(2.3%予想)共に一段とインフレ上昇の見通しになっています。9月時点のECBによる2021年末のHICPコア見通しは2.2%でしたので、今回は超える可能性もあります。そして12月開催のECB金融会合では、新たな経済見通しが出てくるので、今日の結果次第で改訂の可能性があります。
また、昨日発表のドイツの11月消費者物価指数は前年比5.2%(10月4.5%)と大きく上昇し、今日発表(16時45分発表予定)される仏の11月消費者物価指数は2.6%予想と10月(2.6%)と横這いですので、もし仏が予想通りならユーロ圏は少なくとも10月よりは予想通り上昇すると思われます。ユーロドル相場はユーロが弱い状態が継続していますが、先週金曜日のオミクロン株拡大懸念によりドル買い調整になったので、予想を超える数値が出た場合は材料視される可能性があります。
ユーロ圏HICP
(2021年11月30日10時現在予想)
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
上記チャートではインフレが大きく上昇しており、ECB予想の一過性かどうかを見極めていく必要がありそうです。また、前日公表のドイツ消費者物価指数も高かったので、ドイツ連銀総裁辺りからの発言には要注意となりそうです。
下図はユーロドルの月足チャートです。今日はその月足ができますが、ほぼ大陰線になりそうです。
ラインA(1.1195)は2008年7月高値からの抵抗線で、2020年7月に上抜け、その後は2021年1月に高値1.2349を付けて反落しています。現在はそのサポートAに止まっています。もし、今月大陰線のままで、今月か12月にAを切ってくると、2017年の底値からのサポートB(=1.0870)までの下押しも想定する必要があります。もしAを守って1.15を回復してくるとまずラインC(=1.1710)の抵抗線、そして2018年2月高値からのD(=1.2300)方向への流れになります。BとDの3角保合いの中で、Bまで下押すのか、Aで止まりCとD方向に反転するかが12月のユーロ相場になりそうです。
(11月30日12:30 1ユーロ=1.1301ドル)
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