NY休場のなかドルは底堅い値動きか(11/11夕)

11日の東京市場はドルが上げ渋り。一時114円を超えるなど、一週間ぶりの高値を示現したものの定着できず。再び113円台へと押し戻されている。

NY休場のなかドルは底堅い値動きか(11/11夕)

NY休場のなかドルは底堅い値動きか

〇本日のドル円、一時114円を超え114.15レベルまで値を上げるもその後寄り付き水準まで反落
〇中国恒大、ブルームバーグは「ドル建て債3本の利払い履行でデフォルト回避」と報道
〇本日は米国休場、経済指標の発表もなく昨日からの流れを継ぎドルは底堅く推移する可能性高い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.60-114.50
〇ドル安・円高方向は昨日安値の113.70-75が下値メド、割り込んでも113円台割れはないとみる

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場はドルが上げ渋り。一時114円を超えるなど、一週間ぶりの高値を示現したものの定着できず。再び113円台へと押し戻されている。

ドル/円は113.90円前後で寄り付いたのち、ドルはじり高推移。114円を超え、114.15円レベルまで値を上げた。しかし、日米株価の動きなどをにらみつつも、ドル高は続かず「行って来い」の様相に。114円を割り込むと、16時現在では113.90-95円。寄り付き水準まで下落し欧米市場を迎えている。
なお、昨日欧米時間に再び史上最高値を更新し、東京市場の動きも注目された暗号資産(仮想通貨)ビットコインだったが64000ドル後半を中心に終日様子見ムードだった。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国恒大リスク」と「国際情勢」について。
前者は、ロイターが当初「恒大の社債保有者、30日間の猶予期間終了日、アジア時間10日に利払いを受けず」と報じ、デフォルト懸念が強まったと話題に。しかし、ブルームバーグは逆に「ドル建て債3本の利払い履行」としたうえで、デフォルト宣言を再び回避できる様子と指摘していた。結局、金融市場は後者を材料視、中国恒大の香港上場株は一時10%近い上昇をたどるなど、不安感は取り敢えず後退した。
対して後者は、第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、米中が「気候変動対策の協力強化」で合意したことを明らかにした。また、それとは別にフランス大統領が米副大統領と会談し関係の修復を確認。さらに、欧州委員長と米大統領が会談し「難民問題と絡めたベラルーシ制裁強化」などが話し合われたという。ほかに、独露首脳が電話会談し「ドイツは難民問題の仲介要請」したほか、日中局長もテレビ会談を開催し「海洋問題の協議」が行われていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

一昨日に113円を割り込むなど、過去2週間程度のレンジ下限を大きく下回っていたドル/円相場の見通しについて、昨日筆者は「ドル続落」か、それとも「113円を中心とした新レンジを形成する」のかという2択の可能性を指摘していたが、結果はどちらでもない第3の選択肢「ドル上昇、下げ幅のすべてを取り戻す100%戻し」をたどっている。上値も重そうだが、一転して再びドルの上値リスクが拡大しものと思われ、さらなる続伸にも要注意。
日米英欧などの金融政策が引き続き注目されるなか、単純な金利差という点では円を買い進めにくいという基本的な状況に変化なし。また、昨日は発表された米消費者物価指数が記録的な高水準となり米金利も上昇。ドル買いを強く後押ししていたことは間違いない。本日は米国がベテランズデーで実質的な休場で、北米市場を中心に薄商いとなるなか、昨日からの流れを継ぐ格好でドルは底堅く推移する可能性が高そうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日の東京時間までに見せていた下値トライは「ダマシ」で、そののち114円台まで100%戻しを達成している。下値トライを失敗したこともあり、足もとドルは買われやすそうだが、114円台は年初来高値114.69円を含め、テクニカルポイントが少なくない。たとえば、114.28円や114.44円などが具体的な上値メドで、それらで上げ止まれば下値リスクが再燃しても不思議はないように思っている。

材料的に見た場合、中長期的には、「恒大リスク」一服も依然として予断を許さない「中国情勢」、日本による米メルクの飲み薬購入も発表された「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米国が前述したベテランズデーにあたるため、経済指標の発表はなし。また、米要人による講演などもとくには予定されていないようだ。そうした意味では材料難で動きにくそうな雰囲気。ただ。代わりにECB経済報告発表など欧州関係の材料が多くみられるだけに、ユーロやポンドなどの動きに要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.60-114.50円。まずは東京高値114.15円レベルをめぐる攻防が注視されるものの、抜けてもテクニカルポイントは数多い。114.28円や114.44円では一旦上げ止まりそう。
対するドル安・円高方向は、昨日欧米時間安値の113.70-75円が下値メドとして意識されている。割り込んでも目先の113円台割れは予想しにくい。

NY休場のなかドルは底堅い値動きか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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