ドル円、狭いレンジ内で横ばい推移。米国祝日明けのドル高再開に要注意
〇ドル円、114円挟み、米国休場で狭いレンジ内で方向感に欠ける展開
〇ユーロドル、短期見切り売りに米国時間午後にかけ、安値1.1446(約1年4ヵ月ぶり安値)まで下落
〇ドル円、基準線や転換線、21日線を上抜け、米雇用統計後のドル売りの全値戻しを達成、地合い好転
〇ファンダメンタルズもドル高・円安基調の継続を意識させる材料増える
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:113.70ー114.50
海外時間のレビュー
11日(木)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。@前日発表された米10月消費者物価指数が1990年11月以来の大幅な伸びを記録したことや、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇(米インフレ懸念再燃→米利上げ前倒し観測→米金利上昇→米ドル高)、B日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、アジア時間にかけて、高値114.14まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C米国祝日を控えたポジション調整(米国はベテランズデーで債券市場が休場。※株式市場や商品市場は通常取引)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値113.81まで反落しました。もっとも、引けにかけては、D米金利先高観を背景に底堅く推移し、本稿執筆時点(日本時間11/12午前4時45分現在)では、114.07前後まで持ち直す動きとなっております。
11日(木)のユーロドル相場は続落。アジア時間朝方にかけて高値1.1488まで上値を伸ばすも、心理的節目1.1500をバックに伸び悩むと、@米インフレ懸念台頭に伴う米金利の上昇圧力や、A欧米金融政策の方向性の違い(利上げ時期の前倒しが織り込まれる米国と、金融緩和長期化が見込まれる欧州との金融政策格差)、B北アイルランドを巡る英国と欧州連合の確執懸念、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1446(昨年7月以来、約1年4ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。引けにかけても上値の重い展開が継続し、本稿執筆時点(日本時間11/12午前4時45分現在)においても、日通し安値と並ぶ1.1446前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/9に記録した約1ヵ月ぶり安値112.72をボトムに反発に転じると、昨日は一時114.14まで急伸しました。一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けした他、先週末金曜日の「米雇用統計後のドル売りの全値戻し」を達成するなど、テクニカル的に見て地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。ファンダメンタルズ的に見ても、@世界的なインフレリスク台頭(米国のみならず中国でもインフレリスクが顕在化)や、A上記@を背景とした米利上げの前倒し観測、B日米金融政策の方向性の違い、C黒田日銀総裁による円安容認観測、D米主要株価指数の底堅い動き(米利上げ前倒し観測が高まる中でも米株が崩れていない→投資家のリスク回避ムード後退)など、ドル高・円安基調の継続を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はベテランズデー明けの米債市場の動きや、日本時間24時00分に発表される米11月ミシガン大消費者信頼感指数の結果に注目が集まります(市場予想を上回る結果となれば、米景気回復期待→米主要株価指数上昇→リスク選好の円売りの経路と、米利上げ前倒し観測→米金利上昇→米ドル高の2つの経路でドル円には上昇圧力が加わる可能性大。状況次第では10/20に記録した約4年ぶり高値114.71を試すシナリオも想定)。
本日の予想レンジ:113.70ー114.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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