ドル高傾向継続か、買い安心感も
〇本日のドル円、114円台中心に底堅く推移、前日高値超え114.25レベルへ値を上げる
〇この後続伸ならドルの上値メドは前回高値114.44、年初来高値114.69に
〇連日高値更新をたどる米株が崩れなければ、ドル高基調はまだ当面続く可能性も
〇本日は英中銀が政策金利結果を発表、「金利据え置き」との見方が優勢
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.80-114.70
<< 東京市場の動き >>
4日の東京市場はドルが小じっかり。114円台を中心に底堅く推移したが、上値も限られ攻めきれなかった。
ドル/円は114円前後で寄り付いたのち、しばらくは低位揉み合い。113.95-114.10円といったレンジ取引をたどったものの、上抜けすると、前日高値を超える114.25円レベルへと値を上げている。しかしドルの上値は重く、高値示現後は上げ渋り。114.10-25円といった一進一退のなか、16時現在では114.15-20円で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、2日に目先の底入れを達成したランド/円は本日東京も小高く、一時戻り高値を示現。しかし7.5円の壁は厚く、上抜け出来なかった。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米FOMC」について。
前者は、ロシアが10月28日からロックダウンを再導入していた首都モスクワについて、「8日から経済活動を再開する方針」を表明したものの、クルスク州やブリャンスク州など4州は職場閉鎖を延長する方針を発表するなどマチマチの対応。そうしたなか、英副主任医務官から「コロナ感染が収束せず厳しいクリスマスになる」との発言や、訪英した米LA市のガーセッティ市長のコロナ感染が判明、「ホテルで隔離生活を送る」と発表されている。また別途、世界経済フォーラムが中国の天津市で開催を予定しているイベントを、「コロナ感染再拡大」を理由に延期すると明らかにした。
対して後者は、FRBは3日のFOMCで、現行金利の据え置きとともに、「テーパリングを月内に開始することを決定した」と発表。さらにパウエル議長は記者会見で、「22年半ばまでに終わる」と述べてもいる。トータルすれば、ほぼ事前予想通りの内容だったと言えそうだ。なお、市場では米雇用情勢への警戒を抱きつつ、FRBの利上げ時期が前倒しされるかどうかを注視している向きが多くなりつつある。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は米FOMC発表前後にやや荒っぽい変動をたどるも、終わってみれば結局レンジ内。114円を中心とした乱高下を経験したに過ぎなかった。そののち、本日東京時間にドルはその米FOMC発表前後に記録した戻り高値を更新したが、このあと果たして続伸するのかどうかを注視したい。そんなドルの上値メドは前回高値の114.44円、年初来高値114.69円などとなる。
前述したように、昨3日の米FOMCで、「テーパリングを月内に開始すること」が決定された。金利差だけが為替の決定要因ではないが、日米金利差を考えると、やはりドルを積極的には売りにくい状況と言えよう。むしろ、連日高値更新をたどる米株が崩れなければ、ドル高基調はまだ当面続く可能性がある。そうしたなか、本日は英中銀が政策金利の結果を発表する見込みで、そちらを警戒する向きも少なくない。ちなみに、「年内利上げ」を予想する声が多いものの、今回に限れば「金利据え置き」との見方が優勢だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高基調続くなかの時間調整と思しき動きが依然として続く。昨日の米FOMCを受けてもレンジ放れが出来なかった。予断は許さないが、明日に再び重要な材料である米雇用統計の発表を控えていることを考えると、本日の欧米市場は基本的にレンジ取引継続か。次なる方向性は、明日の米雇用統計発表後、来週にかけてということになりそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には、北京五輪が控えるなか新型コロナの感染拡大からイベント中止が相次ぐ「中国情勢」、欧州や中国のほか米国などでもジワリと警戒感が強まってきた「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の貿易収支や週間ベースの新規失業保険申請者数が発表されるほか、モデルナなど医薬品メーカーなどによる決算発表が実施される見込みだ。そのほか、先で取り上げた英中銀の政策金利発表や、OPECプラス閣僚級会合などにも一応注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.80-114.70円。前回高値114.44円が最初の抵抗で、抜ければ年初来高値114.69円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、米FOMC前後にも下げ止まった113.70-80円がかなり強いサポートか。その手前114円も一応弱いサポートだが、割り込んでも大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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