ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が継続。米雇用統計に注目(11/5朝)

4日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が継続。米雇用統計に注目(11/5朝)

ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が継続。米雇用統計に注目

〇ドル円、FOMC後の米長期金利の上昇に欧州時間朝方にかけ高値114.29まで上昇
〇しかし、その後英中銀の金利据え置きを受けての英ポンドの急反落や米長期金利の低下に反落
〇米国時間にかけて、安値113.54まで急落し、113.75前後で推移
〇ユーロドル、英ポンドの急反落、株価軟調から米国時間にかけて、安値1.1529まで急落
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズも相場の上昇を連想させる材料が増えつつある
〇ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想、米10月雇用統計要警戒
〇本日の予想レンジ:113.40ー114.20

海外時間のレビュー

4日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。@日本時間早朝に発表された米FOMC(連邦公開市場委員会)がタカ派的な結果となったこと(11月から月間ペースで米国債100億ドル、住宅ローン担保証券50億ドルの削減決定)や、A声明文中のインフレに対する表記の変更(従来までの「一時的な要因を広く反映」という表現から「一時的であると見込まれる要因を広く反映」に変更)B上記@Aを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは1.52%から1.61%へ上昇)、C日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値114.29まで上昇しました。

しかし、11/1に記録した直近高値114.46をバックに伸び悩むと、D日経平均先物がナイト・セッションで下落に転じたことや(リスク回避の円買い圧力)や、E英ポンドの急反落(英中銀MPCは政策金利の据え置きを事前予想の6対3では無く、7対2で決定→英国債利回り低下→英ポンド円急落→クロス円急落→ドル円連れ安の波及経路)、F米長期金利の急低下(米10年債利回りが1.61%から1.51%へ急低下)が重石となり、米国時間にかけて、安値113.54まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/5午前5時00分現在)では、113.75前後で推移しております。

4日(木)のユーロドル相場は続落。@タカ派な米FOMCを受けたドル買い圧力や、A欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力(ラガルドECB総裁は11/3に「来年利上げする可能性は非常に低い」と発言)、Bドイツ9月製造業受注(結果9.7%、予想11.3%、※前年同月比)および、Cユーロ圏10月サービス業PMI改定値(結果54.6、予想54.7)の冴えない結果、D英ポンドの急反落(英ポンドの下落が欧州通貨安に波及)、E株安を背景としたリスク回避のドル買い圧力が重石となり、米国時間にかけて、安値1.1529(10/13以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/5午前5時00分現在)では、1.1556前後で推移しております(10/12に記録した約1年3ヵ月ぶり安値1.1524が引き続き射程圏内)。

本日の見通し

ドル円はタカ派な米FOMCを受けて一時114.29まで上値を伸ばすも、昨日海外時間には一転して113.54まで反落する展開となりました。一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンド、21日移動平均線といった主要チャートポイントがローソク足近辺に密集するなど、市場参加者の気迷いムードが続いております(振れを伴いながらも方向感を見出しづらい時間帯)。とは言え、強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーが成立していること、ダウ理論で見た上昇トレンドが継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(下値余地は限定的→一巡後の反発リスクに要警戒)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(ドル買い・円売り圧力)や、A米主要株価指数の堅調推移(2013年のようなテーパー・タントラムが発生していないことに対する安堵感→リスク選好の円売り期待)、B黒田日銀総裁による円安容認観測、C世界的なスタグフレーション懸念(米ドルへの資金回帰の思惑)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分に予定されている公表相場決定にかけてのドル買い・円売り(ドル不足)に注意が必要となる他、日本時間21時30分に予定されている米10月雇用統計にも警戒が必要でしょう(前哨戦として注目される米10月ADP雇用統計は良好な結果→予想通り米10月非農業部門雇用者数の力強い結果や米10月失業率の改善が見られれば、米早期利上げ観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円には再び強い上昇圧力が加わる可能性あり→米雇用統計後のアップサイドリスクに要警戒)。

本日の予想レンジ:113.40ー114.20

注:ポイント要約は編集部

ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が継続。米雇用統計に注目

ドル円日足

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