米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(21/11/2)

東京時間2021年11月4日木曜日未明に発表予定です。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(21/11/2)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

NY時間11月3日14時(水曜日)にFOMC会合の記者会見要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1)政策金利(11月2日 9時00分現在)の予想

現在のFFレート「0.0〜0.25%」⇒据え置き
(レンジは0.00〜0.25%で1名を除き据え置き予想、1名は0.25〜0.50%)

また、超過準備預金(民間銀行がFRBに預ける超過準備金)の付利はエコノミスト全員据え置き予想です。

前回会合(9月下旬)時は政策金利や債券購入など全て据え置きました。但し、前回会合の議事要旨内で、
「資産購入の緩和を進めていく決定はこの会合ではなされなかったが、参加者は経済回復が幅広く軌道に乗るなら、来年半ば頃までに終了する緩やかなテーパリングの過程が適切であろうと評価した。参加者はもしテーパリング始める決定が次回会合で起きたなら、テーパリングの過程は11月央か12月央に始まる毎月の購入日から始めることができると指摘した。」
との記載がありますので、これを中心とした内容になります。

市場は今回の会合で、10年債金利を中心に債券市場にどの様な影響を与えるかを見極めたいとしています。以下は今回議論が予想される内容の一部となります。

@ テーパリングの具体的内容の確認。その開始時期、ペース、タイミング、具体的な債券の購入減額など。
A 前回会合よりもボトルネックインフレや労働者不足による賃金インフレの懸念が高まっており、これに対する議論内容。
B Aの議論内容次第では利上げ時期を早期に主張する参加者が増えているか否か。
C また、雇用拡大はゆっくりだが、確実にFRBの最大雇用に向けて進展していると分析するエコノミストもいる様で、雇用に関するコメントを注視。
D パウエルFRB議長は最近の発言で「利上げは時期尚早」(最近のFRB関係者の主な発言を御参照願います)と述べていますが、テーパリングと利上げは別物とする議論が減っているか、あるいは利上げ時期に関する発言が増えているか。
E 第3四半期GDPがやや不冴えでしたが、一過性かあるいは第4四半期にも影響がでるかの議論内容。

(以上)

(2)CME Fedwatch

今回、最初の利上げは2022年1月会合で、9月時点よりも大幅に利上げ速度が前倒しになっています。市場はかなり金利先高観を持っているようです。

(2)CME Fedwatch

(9月21日現在:前回FOMC)

(2)CME Fedwatch 2枚目の画像

(11月2日時点:今回)

(3)最近のFRB関係者の主な発言(最近20日間分程度)

10月23日 パウエルFRB議長 
「インフレが弱まるまでにどれ位の時間がかかるか解らない」
「テーパリングは開始するべきだが、利上げの時期ではない」
「利上げは時期尚早」
「テーパリングを開始し、2022年半ばまでに完了の見通し」

10月23日 デイリー・SF連銀総裁 
「インフレ率高く、予想よりも長く続いている」
「来年のインフレ率が高ければ利上げは可能」

10月22日 ウィリアムズ・NY連銀総裁
「経済には強い不透明感」
「長期的なインフレ期待は目標の2%に沿っている」      

10月21日 ウォラーFRB理事 
「インフレが高く継続した場合、FRBは迅速に行動しなければならない可能性」

10月21日 メスター・クリーブランド連銀総裁 
「利上げは直ぐに実施されないだろう」

10月21日 クオールズFRB理事 
「来春にインフレ率が4%に留まる場合には、FRBは金利上昇過程を再評価する必要あり」

10月20日 ボウマンFRB理事 
「労働者の喪失がパンデミック前の雇用水準に戻ることを短期的に困難にしている可能性」

10月15日 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 
「テーパリング開始時期は近い」
「インフレ動向が大きく変化しない限り、利上げは22年末か23年初」

10月14日 ブラード・セントルイス連銀総裁 
「高水準のコアPCEインフレを懸念」
「労働市場は非常にタイト」


2021年の委員会メンバーは以下です。
パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、
マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、
チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー

下記はドル円の週足チャートです。今回は最近のドル高値が何のラインに規定されたかを見ました。2020年3月底値からのラインA(=104円00銭)とそこから平行に上げたB(=114円80銭)が10月20日高値の114円70銭で止まりました。次は年始底値からのサポートC(=115円40銭)を一度切った後にドル高が緩やかとなりました。このCの抵抗線に10月15日高値114円46銭と20日高値が止められています。現在は急激なサポートラインD(=114円10銭)に掛かっており、もし週末に切れて終わると、E(=109円60銭)とF(=113円10銭)のドル高トレンドラインの上限Fまで下押しする可能性が出てきます。FOMCで下押しするのか、再度BとCを狙うのか、10年債金利動向が鍵を握りそうです。

(3)最近のFRB関係者の主な発言(最近20日間分程度)

(2021年11月2日10:55、1ドル=114円03銭)

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