シカゴポジション(CME)306
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年10月26日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、4ドル通貨共に大きなポジションの傾きはありませんでした。ドル円だけドル買い、その他3通貨はドル売りになりました。
豪ドル高の流れが続く中、シカゴの豪ドルポジションはややショートを落としてきましたが、まだ7万5000枚以上持っています。豪ドルショートを開始した6月初時点の締日終値は0.7750付近でした。その後ネットショートを5万枚台に乗せたのが8月中旬の0.7350付近でしたので、持ち値はあまり良くなく、そろそろ売り上がりか一度ポジション手仕舞いかの判断時期に掛かっていると思います。総枚数ではまだ10万枚越えなので、まだ積み上げが可能です。また、今回のショート開始が6月初でまだ経過期間が5ヶ月ですのでショート攻めの時間帯は残っています。引き続き2〜3週間のポジション動向をウォッチします。
NZ対米ドルの相場は更に一段高となり、先週は再度NZドルロングを積み増してきました。ネットロング8,900枚なので、まだまだNZドルの買い余力はあります。ロングでもショートでも過去に16,000〜17,000枚が最大となっています。(2020年3月に一度20,000枚越えのNZドルショートありましたが、僅か1週間で4,000枚を手仕舞いしています)。またロングを開始したのが9月初ですので、この意味でもまだNZドル先高観を維持すると思います。そうすると、オセアニア通貨の括りではポジションが逆になるので、どちらかにサヤ寄せしていくと見ています。
円は目安となる10万枚のネットドルロングを2週連続で維持してきました。僅かとは言え、4,300枚のネットロング増になりました。次の目安は15万枚程度ですので、まだまだ積み上げ可能です。懸念はドルロングの保有期間が長くなり、過去のパターンでは残り2ヶ月程度になります。どこまでドルを持ち合上げるか解りませんが、もし先に15万枚まで行ったら、一度手仕舞いを想定する必要があります。ユーロは前々週に続き、ポジション調整しており、まだスクエアに近いポジョションです。相場は1.15〜1.17で乱高下していますが、レンジブレークしてからの動きになりそうです。4通貨を見る限り円全面安ですが、ドル円が数週間に亘り、他の3通貨に追随していく動きを見せたら要注意になります。勿論逆のパターンである3通貨が円に追随する可能性もあります。
先週のシカゴは、ロング3,500枚増、ショート1,000増で、差し引き2,500枚のNZロング増になりました。再度押し目ではNZドル買いになっています。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6800〜0.7150の上限を少し超えて終わりました。まだ掛かっている状況なので明日の締日で再度上抜けるかを見ます。ザラ場では先週も0.7218までの高値があり、前々週の0.7219とダブルトップになりました。明日の締日でレンジ上限の0,7150を再度越えて終わるかが注目されます。もし0.72以上で終われるなら、シカゴのNZドルロングには安心材料となりそうです。
さて実際の相場は、今年8月中旬底値からのサポートが0.6900、平行に上げた抵抗線は0.7230となり、NZドル高トレンドラインを形成しています。この間の最初のサポートが0.7130にあり、短期的には0.7130〜0.7230レンジになっています。明日の締日はこのレンジ内に収まるか否かを見ます。もし下限を切ると、0.7080、0.7050、0.6990〜0.7000の順にあるサポートを試す流れです。上値は0.7200、0.7220〜30の抵抗線です。後者抜けで一段高狙いとなります。そして、押し目になった時、シカゴが買い増しするかを見たいと思います。(1NZドル=0.7166米ドル、11月01日14:10)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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