シカゴポジション(CME)305
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年10月19日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、ドル円を除き、持ち高調整の週になりました。ドル円だけが従来からのポジション方向に残高を積み上げています。
シカゴの豪ドルポジションは相場観とは逆方向に行き、ショートを減らしました。総枚数もピーク時の半分となる99,000枚で、10万枚を切ってきました。前回10万枚未満は6月15日締日の週で、ここから豪ドルショートを積み上げ始めています。それ以前は2020年3月〜8月の期間全て10万枚未満で、この時期はポジションの傾きがなく様子見の時期でした。このまま2〜3週間10万枚未満で推移すると、豪ドルショートを止めてくる可能性が高く、そうなると次のポジションを積み上げ始めまでは横這いとなります。買い戻しすると、豪ドル買い米ドル売りのポジョション調整になります。NZドルの相場は一段高となり、NZドルロングの利益確定をしてきました。ネット6,400枚のNZドルロングですので、今後も積み増し余地は十分にあります。オセアニア通貨の括りでみれば、シカゴがポジョション調整の豪ドル買いでれば、NZドルも連れ高の可能性が高まります。
円は遂に目安となる10万枚のネットドルロングになりました。円ショートを26,000枚膨らませており、一層のドル先高観を強めています。先週の締日(火曜日)に114円割れがあり、押し目買いしたことになります。そして締日以降も113円41銭まで下押ししているので、明日の締日でドルロングが増えていれば、今後もかなりのドル上値を見ていることになります。過去には15万枚越える円ショートもありましたので、まだポジション積み上げは可能です。逆に明日まででポジション調整してくると、ドルロングの期間が長いので、一段と手仕舞いする可能性あります。持ち値は十分利に乗っているので、115円手前が当面の高値になるか、あるいは更にドル一段高を見ているのか、今週末に発表されるポジション残高を見たいと思います。ユーロはポジション調整しており、まだスクエアに近いポジョションです。最低でもネットで5万枚が1つの目安ですので、確固たるユーロ先安を見ている訳ではないと思います。そして今後の豪ドルやユーロのポジション次第では、ドル全面安が崩れていく可能性を残しています。
シカゴはロング400枚増、ショート11,100枚減で、差し引き11,500枚のネット豪ドルショート減になりました。総枚数でも10,700枚減となり、前週に続きリスクを低下させています。チャートを見ると、黒の豪ドル安トレンドラインは0.7280〜0.7690付近にあり、先週の締日はこのレンジ内に入ってきています。もしトレンドライン上限まで戻る様なことがあれば、現在のスポットからは200ピップスも豪ドル高にあるので、シカゴは一段とポジション調整してくると思われます。
さて、実際の相場は前週まであった抵抗線を上抜け、今年2月高値からの抵抗線0.7640方向を攻めています。現在は9月底値からの短期豪ドル高トレンドラインの0.7400〜0.7570レンジ内にあり、この間に0.7450〜60のサポートがあります。もしここを切ったらレンジ下限の0.7400トライに繋がると思います。逆にこのサポートが守られれば、先週高値の0.7550、0.7570に抵抗線が控えています。既に8月20日の底値0.7106からは380ピップスも豪ドル高ですので、シカゴはここから豪ドル売り上がりよりも、買い戻しの可能性が高いと思われます。(1豪ドル=0.7486米ドル、10月25日14:45)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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