ドル上値トライは一服か、ただ下値も堅そう
〇本日のドル円、113.95-00で寄りつき、113.80-114.20といった若干広めのレンジ内での往来相場
〇ドル高基調は継続するも、上値トライは一旦仕切り直しの様相
〇短期的なリスクは若干ドル安方向だが、ドルの下値も堅く目先は114円台を中心とした強保ち合い
〇本日、10月製造業PMI発表、要人発言の機会も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40、本日東京高値114.20前後が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は昨日安値113.65をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場はドルが冴えない。上値は重く上げ渋りの様相だったが、一方で下値も堅く前日安値は下回れず。
ドル/円は113.95-00円で寄り付いたのち、基本的にはレンジ取引。113.80-114.20円といった若干広めのレンジ内での往来相場をたどっている。日米株価の動きなどをにらみつつも決め手に欠けたようで、大きな動意には繋がらなかった。16時現在、ドル/円はほぼ寄り付きと同じレベルの113.95円前後で推移し欧米市場を迎えている。
そうしたなか、東京時間もトルコリラが弱含み。対ドルでは前日記録した史上再安値を再び更新する局面が観測されていた。前日のトルコ中銀による大幅利下げが依然として尾を引いているようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国不動産リスク」と「新型コロナ」について。
前者は、支払い猶予期間が迫る中国恒大集団に関する報道が相次ぐ。全体的にはネガティブなものが多かったが、中国証券時報は「23日期限、ドル建てで8350万ドル相当の利払いを実施した」と報じていた。事実とすれば、目先の悲観論がわずかに後退する要因に。ただデフォルト懸念そのものが払拭されたわけではなく、引き続き予断は許さない状況だ。続報などにも要注意。
対して後者は、欧州を中心とした新型コロナの感染拡大が再び声高に指摘され始めた。たとえばWHOは緊急事態対応を統括するライアン氏から、「欧州諸国で感染者が増加しており、今後も感染が拡大する恐れがある」との警告が発せられている。また、28日からロシアの首都モスクワでロックダウンが再導入されることが明らかになったほか、そのロシアで「デルタ株より感染力の強い新たなコロナ変異株が確認された」との発表があり、物議を醸している。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は20日に114.69円まで上昇したものの、その後はやや上げ渋りの様相。ドル高基調は継続するも上値トライは一旦仕切り直し、短期的なリスクが若干ドル安方向に高まってきたイメージもある。しかしドルの下値も堅いだけに、目先は114円台を中心とした強保ち合い、価格ではなく時間調整の色彩が濃くなってきた感もある。
米金利動向への関心はいまだ高く、11月のFOMCでテーパリングが開始されるとの見方がもはや市場のコンセンサス。また、米当局からはインフレの長期化を警戒するコメントも少しずつ観測されており、為替市場においてはそれも潜在的なドル高要因として寄与している面もある。本日は引き続き米金利や株価の動きを注視しつつ、週末ということでの需給要因、調整の動きなどにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高傾向継続も、目先高値トライといった様相は一服か。したがって、それほど強いものではないが、敢えてリスクを指摘すれば、短期的には下方向にバイアスがかかりそう。以前から何度か報じているように、直近安値から年初来高値114.69円までの上昇幅は5円を超えているだけに、時間ではなく価格調整で本格的に下げれば、さらに1円程度下がってもまったく不思議はないだろう。
材料的に見た場合、中長期的には、「恒大リスク」一服も依然予断を許さない「中国情勢」のほか、欧州を中心とした感染の再拡大懸念が高まりつつある「新型コロナ」、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の製造業PMIなどが発表されるほか、パウエルFRB議長のパネルディスカッション参加なども一応要注意。そのほか企業決算発表を含め米国ファクターは決して少なくないが、英国やロシア、トルコなどを含めた広義欧州の動きに対し警戒を抱く向きも増えつつある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40円。本日東京高値にあたる114.20円前後が最初の抵抗。超えれば年初来高値114.69円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値113.65円をめぐる攻防にまずは注目。大崩れするイメージには乏しいが、下回ると113.20円レベルや113円などが視界内に。
ドル円日報
※ポイント要約は編集部
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