再び調整色強まる、ドルの続落は如何に(10/21夕)

21日の東京市場はドルが弱含み。終盤に掛け、再び114円を割り込む局面も観測されていた。

再び調整色強まる、ドルの続落は如何に(10/21夕)

再び調整色強まる、ドルの続落は如何に

〇本日のドル円、夕方にかけ一時114円割れまでドル安円高が進行
〇ビットコイン一時67000ドル前後をつけ史上最高値更新、わずか1ヵ月で70%に迫る上昇
〇調整的な動きがもう少し続くがドル高基調そのものが転換することはなさそう
〇本日は10月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.50-114.40、本日東京高値114.40-45が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は時間足ベースでサポートになっている113.90前後の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はドルが弱含み。終盤に掛け、再び114円を割り込む局面も観測されていた。

ドル/円は114.30円前後で寄り付いたのち、しばらくレンジ取引。114.20-45円といった値動きをたどるも、底割れすると夕方に掛けては一気に114円割れまでドル安・円高が進行している。日経平均株価が終値ベースでも500円以上下落したことなどを材料視、リスク回避の動きに繋がっていた面もあったようだ。16時現在、ドル/円は113.95円前後で推移し欧米市場を迎えている。
なお、円の全面安商状は本日も継続となったが、多くのクロス円も終盤に向けては調整的な円買い戻しが目に付く。豪ドル/円などは高値示現後、反落して東京を大引けていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国不動産リスク」と「暗号資産ビットコイン」について。
前者は、日経新聞が破綻危機も取り沙汰される中国恒大集団について、「23日に新たな米ドル債の利払い期限を迎える」と報じ思惑を呼ぶなか、香港企業への売却で話が進められていた「恒大不動産管理子会社の株式売却が頓挫」したことが明らかとなった。取引条件で合意に至らなかったという。また、それとは別に不動産開発会社である当代置業(モダン・ランド・チャイナ)は、25日満期の「ドル建て社債の償還延長手続きを打ち切った」と発表。続報などを注視している市場参加者は少なくない。
対して後者は、前日に米取引所で暗号資産(仮想通貨)先物ETFが上場され、取引の始まったことの影響が続くと、暗号資産ビットコインも続伸し一時67000ドル前後をつけて史上最高値を更新した。ちなみに、9月21日には4万ドルを割り込む局面も観測されており、わずか1ヵ月で70%に迫る上昇だ。しかし、さらなる上値トライを期待する声も少なくない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円は、年初来高値を更新する114.69円まで上昇したものの、そののち再び調整と思しき動きが断続的に観測されている。前述したように、本日東京時間には一時114円割れを記録。1ヵ月以上の期間、5円を超えるドル高進行をたどってきただけに、足もとのような調整的な動きがもう少し続く可能性も否定できないが、少なくともドル高基調そのものが転換することはなさそうだ。
米金利動向への関心はいまだ高く、11月のFOMCでテーパリングが開始されるとの見方がもはや市場のコンセンサス。いわゆる金利差だけが為替の決定要因ではないものの、やはり円を積極的に買い進める環境にないことだけは間違いない。ただ、目先は調整的な動きが入りやすくなりつつあることから、発表される米経済指標要人発言、あるいは株価などの動き次第ではドル/円が下値を確認する動きが先行しても不思議はないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日114.69円の高値を示現後、軟落に転じているものの、時間足など短期のチャートを見ると短期のサポートとなっている113.90円前後で本日東京も下げ止まっている。まずは同水準での攻防に注目だ。
ちなみに、ドルの下値はかなり底堅いイメージながら、直近安値からのドル上昇幅は5円を超えており、本格的に下げれば1円程度スグに下がっても不思議はない。

材料的に見た場合、中長期的には、「電力不足」問題のほか「不動産リスク」も綱渡りが続いている感を否めない「中国情勢」のほか、感染の再拡大懸念がジワリと広がりつつある「新型コロナ」、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、ウォラーFRB理事の米経済討論会出席などにも一応要注意。そのほか米企業決算発表や、米財務省によるインフレ指数連動5年債の入札などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.50-114.40円。本日東京高値にもあたる114.40-45円が最初の抵抗。超えれば昨日示現した高値114.69円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、前述したように時間足ベースでサポートになっている感のある113.90円前後の攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、下回ると113.20円レベルや113円などが視界内に。

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ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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