今週は踊り場、下降トレンドの中のもみあい
〇先週のユーロ、一週間のレンジ1.1525-1.1624の99pipsと円安進行の中で鈍い動き
〇今週の注目材料は英中銀総裁講演、主要国の10月製造業・サービス業PMI速報値
〇ユーロドル、ユーロ円追随し上値重い流れとなるか
〇米金利先高観の中、中長期的にユーロ売りの流れ続くとみる
〇今週は1.1525レベルをサポート、1.1625レベルレジスタンスとする踊り場の週
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロは、一週間のレンジが99pipsとドル円が2円以上も円安が進行する中で鈍い動きの一週間となりました。材料的にも目立ったものがありませんでしたし、テクニカルにも年初来安値を更新した翌日には急速に買い戻しが入るなど、これまでの新安値トライ同様にいったんは買い戻される動きとなりました。
先週はあまりマーケットの材料とはなりませんでしたが、13日に欧州委員会が「アイルランド・北アイルランド議定書」の実施を調整する提案を発表しました。これはブレグジットの際に国境での物流をスムーズにするため北アイルランドに限ってEU法の適用を暫定的に実施する内容でしたが、依然として英国側の不満が強かったため英国に寄せる提案となりました。具体的には検疫や通関書類の簡略化、英国本土から北アイルランドへの薬品供給といったところですが、実現には英国側の各種取り決めの順守を前提としているため簡単には調整が進むとも思えず、今週はEUサミットもありますし久しぶりに話題に上ってくる可能性がありそうなテーマではあります。
今週は火曜の英中銀総裁とレーンECB理事の講演が週前半の、また金曜の主要国の10月製造業・サービス業PMI速報値が週後半の注目材料となりますが、よほどインパクトの強いものが出て来ないと先週のユーロドルのレンジを抜けることは難しいと思います。またドル円の週報に書きましたが、日柄的には月曜〜水曜に円高へ転換しやすい時間帯に入ることから、ユーロ円でも同様に円高へと転換する可能性があります。その場合、ユーロドルはユーロ円に追随しやすいと考えられ、上値が重くなりやすい流れとなってきそうです。
テクニカルにも見てみましょう。日足チャートをご覧ください。
先週週足チャートで見た2020年安値と2021年高値の半値押しとなる1.1492がターゲットになってくるという見方には変化はありませんが、先週の安値からの反発でいったん安値トライは失敗です。しかし、シカゴ通貨先物のユーロポジションは2週連続でユーロ売りとなっていて、そのポジションサイズも小さいことから今後米金利先高観の中で中長期的にはユーロ売りの流れは続いていくと見てよいでしょう。
ただ短期的には青いラインで示した拡散型ウェッジの中で現在は8月安値をレジスタンスとしながら、どこかで安値更新を狙っているという流れにあると思います。方向的には今週は横ばい、10月レンジの中でのもみあいになりやすく、1.1525レベルをサポートに、1.1625レベルをレジスタンスとする踊り場の週を見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円の日足チャートを見てみましょう。
ユーロ円はドル円とともに週前半に調整の下げが入る可能性が高いと考えていますので、ターゲットを考えておきましょう。
ユーロ円の金曜高値は132.77(チャートでは132.76表示)と6月高値と8月安値の78.6%(61.8%の平方根)戻し132.80にほぼ一致する水準へと上げました。すると10月安値と10月高値との押しを考えることとなりますが、もっとも少ない調整となる23.6%押しで131.72、また一般的な調整となる38.2%押しで131.07となっています。
前者は少なすぎ、後者はやや大きすぎるという感じもしますので間で131円台半ばまでの押しはありそうというイメージで考えています。ドル円での円高の動きがあることが大前提ではありますが、ユーロ円は一方向に上げてきていますので可能性は高いのではないかという見方です。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
10月18日(月)
08:01 英国10月住宅価格
10月19日(火)
18:00 ユーロ圏8月建設支出
21:00 パネッタECB理事講演
21:05 英中銀総裁講演 ☆
22:00 レーンECB理事講演 ☆
10月20日(水)
15:00 英国9月CPI ☆
15:00 ドイツ9月PPI
16:00 フランス中銀総裁講演
16:20 エルダーソンECB理事講演
18:00 ユーロ圏9月CPI ☆
22:40 オーストリア中銀総裁講演
24:20 イタリア中銀総裁講演
27:00 ベージュブック ☆
10月21日(木)
15:45 フランス10月企業景況感
23:00 ユーロ圏10月消費者信頼感速報値 ☆
**:** EUサミット(〜22日)
10月22日(金)
08:01 英国10月消費者信頼感
15:00 英国9月小売売上高
16:15 フランス10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
10月11日(月)
週明けは円独歩安のいっぽうでユーロドルは蚊帳の外状態、多少の上下は見られたものの一日のレンジは38pipsに留まりました。ドル円での円安がクロス円でも円安となってユーロ円が上昇、131.23レベルまで買い上げられ若干押しての引けとなりました。
10月12日(火)
ドル円では円が続落する動きの中でユーロドルもさすがにドル高の動きに反応して終日じり安の動きとなりました。欧州市場では弱いドイツの経済指標に反応したユーロ売りも手伝って、NY市場の朝方に東京安値を下回ると昼過ぎには1.1525レベルと年初来安値を下回り、安値圏での引けとなりました。
10月13日(水)
ユーロドルは前日に安値を更新したもの下げきれず、東京前場から買い戻しが先行する動きが目立ちました。その後もじり高の展開を辿り米国CPIに反応し一時的な下押しは入ったものの、今度は週間高値を上抜け1.1597レベルまで買われて高値圏での引けとなりました。
10月14日(木)
ユーロドルは東京市場では小動きとなっていましたが、欧州市場序盤にはドル円の下げと歩調を揃えユーロ買いが強まりました。その後欧州市場前場には1.1624レベルまで水準を切り上げましたが、その後は全般的なドル買いに押されて日中安値を更新後、やや戻しての引けとなりました。
10月15日(金)
ユーロドルはドル円とともにユーロ円が一段高となる動きに沿って欧州市場序盤に1.1617レベルの高値をつけたものの、前日高値は抜けられず、その後は上値が重たい展開を続けました。終日のレンジも31pipsに留まりユーロドルは週を通して動意薄のまま1週間を終えました。
※ポイント要約は編集部
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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