シカゴポジション(CME)303
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年10月5日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、ドル円を除き、米ドル買いになりました。特にユーロが久しぶりにドルロングを積み上げ始めています。
さて、豪ドルは僅かながらも米ドルロングを積み上げました。目安の10万枚近くになっていますが、まだポジション調整の動きはないので豪ドル一段安の相場観を維持しています。実際の相場はここ3週間0.7170〜0.7340レンジで横這いを継続しているので、このレンジを抜け始めた時にどの様に対応するのか注目しています。但し、ポジションが10万枚に近いので、レンジ上限を越えた場合は売り余力が少ないと思います。NZドルは前々週にショートポジションを利確しましたが、先週締日では再度ショートを積み増して、ネットロングポジションを縮小しています。相場がシカゴの望む方向に動いていないので、やはりロングをキープし続けることが出来ていません。
今現在も0.69台前半で推移しているので、明日の締日で一段のポジション調整をした場合は、このままスクエア方向に流れ易いと思います。またオセアニア通貨に括りでも、前回締日が1豪ドル=1.0398NZドル、今回締日が1.0467NZドル、今現在のスポットが1.0550NZドル付近ですので、シカゴのNZドル買い豪ドル売りのポジションとは反対方向に行っています。この意味でもNZドルロングを維持することが次第に厳しくなっていると思われます。ドル円は長い間の厳しい持ち値から脱却し、先週締日は利確してきたと思われます。ロング3,800枚減、ショート4,800枚減で、ネットロングを減らし、総枚数も減少しています。10月5日のNY終値が111円46銭で、今現在は1円以上も含み益増ですので、明日の締日のポジションは注目されます。これで5万枚以下に減らしてくると、ドル高の相場が一服となる可能性あります。
逆に増やしてくれば更に一段のドル高観を有していることになります。ユーロはネットドルロングを2万枚以上にしてきました。スクエアからまだ1週間で、かつ相場方向を示す目安の5万枚以上となっていないので、まだまだ引っくり返しできる範囲内です。あと3週間程度、乃至はネット5万枚越えるかを見ます。相場は、ユーロ安が5月高値からのスタートになりますと、既に5ヶ月経過しているので、ここからユーロショートを積み増してくると、かなりのユーロ安水準を想定するポジションになります。尚、5月29日〜締日までのレンジが1.1563〜1.1690、1.16台の滞空時間がほぼ5月29日位でしたので、ユーロショートの持ち値は1.16絡みが想定されます。
先週のシカゴは、ロング400枚減、ショート1,800増で、差し引き2,200枚のNZロング減になりました。やはりNZドルショート単体で4桁(前回8,078枚)まで少なくなったことはあまりなく、今回もまだ4桁(9,831)ですが、ほぼ1万枚前後になっています。過去のパターンではポジション調整に向かい易くなっています。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6770〜0.7120内のほぼ中央で横這いを続けており、上限抜ける雰囲気のないチャートになっています。持ち値もあまり良くないので、NZドル先高観を捨てる可能性もありそうです。
さて実際の相場は、今年2月高値からの抵抗線が0.7115〜25まで下がってきています。一方で、8月19日底値からのサポートは0.6870にあり、もしこれを下抜けると0.7115の抵抗線から平行に下したサポートが0.6720にあるので、150ピップス下押しの可能性が広がります。従い0.6870サポートを切ると、シカゴはポジションを一度手仕舞いかもしれません。逆に守り切れば、0.6980〜90。0.7020〜30、0.7090の順にある抵抗線トライに繋げることができそうです。(1NZドル=0.6933米ドル、10月11日14:35)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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