予断を許さないが基本はレンジ内で一進一退
〇本日のドル円、111円台前半を中心とした20ポイント程度のレンジ取引
〇8日連続で下落していた日経平均株価は本日反発、終値ベースで150円ほど上昇
〇市場は明日の米雇用統計発表を控え短期的には動きにくく、レンジ内での往来相場か
〇本日はイエレン米財務長官やラガルドECB総裁が参加するB20サミットに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.80-111.70、本日高値111円半ばが目先の抵抗
<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は揉み合い。111円台前半を中心とした20ポイント程度のレンジ取引で、積極的な売買は手控えられている。
ドル/円は、寄り付いた111.40円前後を中心に、上下10ポイント程度のレンジ取引。本日は株価や金利の動きのほか、原油先物などを注視している向きも少なくなかったが、為替市場への具体的な影響となるとあまり見られなかった。16時現在、ドル/円は111.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日まで8日連続で下落していた日経平均株価は本日反発。終値ベースで150円ほど上昇して大引けた。
一方、材料的に注視されていたものは、「台湾情勢」と「米債務上限問題」について。
前者は、米国務長官が「挑発的な行動で、地域を不安定にする恐れがある」などとし、中国に台湾挑発停止を要求したほか、スイスで実施された米中高官の会談でも台湾情勢は話題に。米国はウイグルや香港とともに人権問題などでの懸念を提起したという。ただ、新華社によると中国は米国サイドの意見に反発。逆に、米国に対して「人権問題を利用した内政干渉をやめるよう要求した」と報じていた。両者の主張はほぼ平行線で、解決の糸口さえ見いだせていない。
対して後者は、ロイターが「米上院、債務上限めぐる6日の動議採決を延期した」と報じ話題に。ただ、一方で野党共和党のマコネル上院院内総務は、12月まで債務上限の一時的拡大を容認すると表明しており、デフォルト回避の見通しが高まった感も否めない。最後の最後まで油断は禁物ながら、取り敢えず市場にはびこっていたリスク要因のひとつが、解消されつつあることは間違いないようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は110.82円まで下押しが入ったあとの戻り局面にあると見られたが、高値は111.78円まで。市場は、明日に注目の米雇用統計発表を控えていることで、短期的にはやや動きにくい感を否めず、目先は110.82-111.78円、あるいは110.82-112.08円というレンジ内での往来相場をたどる可能性もありそうだ。
米金利動向への関心が高いという状況が依然として続くなか、引き続き発表される米経済指標には要注意。なかでも、前述したように明日の米雇用統計発表が注目されている。ただ、そうしたなか懸念要因のひとつだった米債務上限問題に明るい兆しがうかがえるうえ、インフレ警戒の象徴的な存在である原油高も取り敢えず一服。市場は落ち着きを取り戻しつつある。NYダウをはじめとする米株が本日も底堅い値動きをたどるようだと、ドル/円もドル高傾向が続くことになるかもしれない。
テクニカルに見た場合、先でも指摘したように、ここ最近のドル/円は110.82-111.78円といった新レンジを形成しつつあるようだ。明日のNY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、新レンジ内での取引が長期化する公算は低いものの、本日から明日の東京に掛けてはレンジ取引が継続される可能性もある。なお、抜けるとすれば、いまのところは上方向にバイアスが掛かりそう。112円台乗せに向けた動きが期待されているようだ。
材料的に見た場合、中長期的には、台湾をめぐり米国などとの激しい鍔迫り合いが続く「中国情勢」のほか、月末の衆院選に向け各党の選挙公約も出揃ってきた「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される程度だが、米国を中心に通貨当局者などによる発言機会は少なくない。なかでも、イエレン米財務長官やラガルドECB総裁が参加する予定のB20サミットの行方には一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.80-111.70円。本日東京高値にあたる111円半ばが目先の抵抗で、超えれば111.78円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値111.20円が目先のサポート。ただ割り込んでも111円前後、110.82円などがテクニカルサポートで底堅いイメージだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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