ドル円、米金利および米株上昇で堅調推移。本日は米雇用統計がメインイベント
〇ドル円111円台半ば、米長期金利上昇、株価の持ち直し、米デフォルト懸念後退で堅調推移
〇ユーロドル1.15台半ばから後半で方向感に欠ける動き、米指標好調が重石に
〇ドル円、三役好転、移動平均のパーフェクトオーダーが成立する等テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもドル高円安トレンドの継続を意識させる材料増える
〇本日、米雇用統計発表、今週の他雇用関連指標の好調からポジティブサプライズ期待も
〇海外時間はアップサイドリスクに警戒必要か
〇本日の予想レンジ:111.20ー112.10
海外時間のレビュー
7日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間引けにかけて安値111.24まで下げ幅を広げるも、前日安値111.20をバックに下げ渋ると、@米長期金利上昇を背景としたドル高圧力(米10年債利回りは6/17以来となる1.57%へ急上昇)や、A世界的な株価の持ち直し(VIX低下→リスク回避ムード後退→リスク選好の円売り再開)、B米債務上限問題に係わる警戒感の後退(共和党トップのマコネル院内総務が債務上限を一時的に停止の上、債務拡大を認める案を提案→民主党トップのシューマー院内総務が12月初めまで債務上限を延長することに合意→米国債のデフォルト懸念後退)、Cクリーブランド連銀メスター総裁によるタカ派的な発言(インフレ見通しに関する不確実性が高まっている)、D米新規失業保険申請件数の良好な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値111.64まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、111.63近辺で推移しております。
7日(木)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。欧州時間午後にかけて高値1.1573まで上値を伸ばすも、買い一巡後に伸び悩むと、@米長期金利の上昇を背景としたドル買い圧力(欧米金融政策の方向性の違い)や、Aテクニカル的な地合いの弱さ、BシュナーベルECB専務理事およびレーンECB専務理事兼主任エコノミストによる「インフレは一時的」との発言、C米経済指標の良好な結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1548まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時30分現在)では、1.1554前後で推移しております。尚、昨日発表されたECB理事会議事要旨では、「インフレに対する懸念の強さ」や「資産買い入れ額を巡る大幅縮小協議の存在」が明らかとなりましたが、市場の反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は週初10/4に記録した直近安値110.82をボトムに反発に転じると、週央(10/6)にかけて高値111.79まで上昇しました(その後一時的に111.20まで反落する場面も見られましたが、一目均衡表転換線に続落を阻まれると昨日は再び111.64へ反発)。強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーが成立する中、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(早期利上げ開始が織り込まれている米国と、金融緩和の長期化が織り込まれている日本との金融政策格差)や、米デフォルト懸念の後退(米債務上限問題を巡る懸念の後退)など、ドル高・円安トレンドの継続を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は今週のメインイベントである米9月雇用統計が日本時間21時30分に発表されます。米非農業部門雇用者数は前月比50.0万人増、米失業率は5.1%と予想されておりますが、既に発表されている米9月ADP雇用統計や米新規失業保険申請件数などの好結果を踏まえると、本日の米雇用統計はポジティブサプライズが期待されます。市場予想を上回る結果となれば、米利上げ開始までの市場コンセンサス(11月FOMCでのテーパリング開始の詳細発表→12月FOMCでテーパリング開始→来年半ばにテーパリング終了→来年後半に年1・2回の利上げ開始)を織り込む形で、米長期金利上昇→米ドル高→ドル円上昇の流れが強まると予想されます。状況次第では、9/30に記録した年初来高値112.08を上抜けるシナリオも想定されることから、本日海外時間はアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:111.20ー112.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.10.08
ドル円見通し 米長期債利回り上昇とリスクオンで111円台中盤へ戻す(21/10/8)
ドル円は10月6日夜安値で111.19円まで反落したところからややジリ高の推移を続けて10月8日早朝には111.65円まで戻している。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.10.07
予断を許さないが基本はレンジ内で一進一退(10/7夕)
7日の東京市場は揉み合い。111円台前半を中心とした20ポイント程度のレンジ取引で、積極的な売買は手控えられている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。