基本リスクはドル高、ただ目先は調整も注意(9/27夕)

週明け27日の東京市場はドル小じっかり。先週末に示現した8月高値110.80円に再び面合わせする局面も観測されていた。

基本リスクはドル高、ただ目先は調整も注意(9/27夕)

基本リスクはドル高、ただ目先は調整も注意

〇本日のドル円、先週末に続き8月高値110.80に面合わせするも、抜けていくには至らず
〇JPモルガン「中国恒大集団の債務危機でHSBCとスタンダードチャータード銀行が損失を被る恐れ」
〇日米豪印首脳会合、インド太平洋を自由で開かれた地域にする必要性を強調
〇本日はNY連銀総裁ら中銀関係者による講演や、米財務省による2年債や5年債の入札に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.10

<< 東京市場の動き >>

週明け27日の東京市場はドル小じっかり。先週末に示現した8月高値110.80円に再び面合わせする局面も観測されていた。

先週末は、実施されたドイツ総選挙の出口調査などで「SPDと与党CDU・CSUが大接戦」と報じられ、政権の行方が関心を呼ぶ。一方、日米豪印の首脳はNYで会合を開き、中国を念頭に「強制に屈せず」とする共同声明を発表していた。
そうした状況下、ドル/円は110.70円前後で寄り付いたのち、基本は揉み合いながらもドル底堅い。一連の過程のなかで110.80円レベル、先週末にも達した8月高値に再び面合わせをしている。ただ、抜けていくには至らず、その後は同レベルを上限としたレンジ取引に。16時現在、ドル/円は110.65-70円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、それ以外で目に付いたのはカナダドルとトルコリラ。とくにリラ/円は小幅ながら続落し、年初来の最安値圏での推移をたどっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国恒大危機」と「日米豪印の首脳会合」について。
前者は、29日に再び期限を迎える利払いについて関心が集まるなか、23日期限の計8350万ドルのドル建て社債利払いに関しても、いまだ不安感が払拭しきれない。たとえば米紙WSJは「23日期日のドル建て社債利払いを延期」と報じていた。30日間の猶予期間内に支払えなければ、正式にデフォルトとなる。また、それとは別に中国恒大は「電気自動車(EV)事業などを手掛ける子会社が資金繰り悪化」を理由に一部事業の停止を発表。さらに、米金融大手のJPモルガンは調査リポートを公表し、「中国恒大集団の債務危機で英金融大手のHSBCホールディングスとスタンダード・チャータード銀行が損失を被る恐れがある」と言及したという。

対して後者は、日米豪印首脳は会合を開き、対中を意識し連携を打ち出すとともに、インド太平洋を自由で開かれた地域にする必要性を強調した。それに対し中国の新華社通信は、4ヵ国首脳は中国の名指しを避けたものの、「影響力を高める中国に焦点を合わせているのは明らかだ」と警戒感をにじませる記事を配信していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週末に続き本日も8月高値110.80円に面合わせするなど、ドル高方向を意識した動きとなっている。素直に考えてリスクは上向き。110.80円を超えれば7月5日以来の111円回復もありそうだ。ただ、ポジション的には少し偏りが目に付くようになってきたうえ、先で指摘したことを逆に言うなら、110.80円をなかなか抜けられずに殊の外強い抵抗になっている感のあることは気掛かり。さらなるドル高へと向かうのか、基調を一度慎重に見極めたい。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は変わらないが、22日のFOMCで利上げ開始時期の前倒し示唆などもあり、喫緊の課題ではなくなりつつある。ただ、発表される米経済指標や要人発言、そしてそれらにも影響を与えかねない「新型コロナ変異種」や「中国恒大危機」に絡むニュースなどには要注意。また、週末に実施された独総選挙を踏まえた欧州情勢も場合によっては波乱含み。たとえば、ブルームバーグでは「独連立交渉に数ヵ月かかる可能性」と報じており、事実であれば嫌気したユーロ売りの可能性も。

テクニカルに見た場合、ドル/円は110.45円を上限としたレンジに続き、110.80円を上限としたレンジも上抜け掛かっている。このあとの欧米時間にもドルは続伸し、レンジ上限を抜けてくると予想する参加者は少なくないようだ。ちなみに111円台に乗せたあとのターゲットは年初来高値の111.22円。いよいよ現実の上値メドとして意識され始めてきた感もある。

材料的に見た場合、中長期的には、引き続き予断を許さない「恒大リスク」などを中心とした「中国情勢」のほか、29日の自民党総裁選に向けた候補者たちのラストスパートがはじまった「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の耐久財受注や9月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、全米企業エコノミスト協会年次総会が開催されるなかでウィリアムズNY連銀総裁ら中銀関係者による講演が実施される見込みだ。また、米財務省による2年債や5年債の入札も予定されるなど、材料は多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.10円。本日東京も上げ止まった110.80円レベルの攻防にまずは注目。上抜ければ111円台回復、具体的には111.22円がターゲットに。
対するドル安・円高方向はドルの下値が切り上がってきており、110.30円前後も弱いサポートとなりつつある。それを下回ると110.00-10円が意識されそうだ。

基本リスクはドル高、ただ目先は調整も注意

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る