ドル円、米金利上昇を背景に約2ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。節目111.00も上方ブレイク(9/28朝)

週明け27日(月)のドル円相場は急上昇。

ドル円、米金利上昇を背景に約2ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。節目111.00も上方ブレイク(9/28朝)

ドル円、米金利上昇を背景に約2ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。節目111.00も上方ブレイク

〇ドル円米国時間にかけ111.07まで急伸、先週FOMC以降の米長期金利上昇継続
〇FRB関係者の緩和慎重発言相次ぐも市場は反応薄、10年債利回りは1.51%に急上昇
〇ユーロドル、米長期金利上昇と独連邦議会選挙の与党敗北に1.1689まで下落
〇英中銀総裁タカ派発言に英ポンド急上昇
〇ドル円、主要テクニカルポイント上抜け、三役好転も実現する等、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも米金融政策の不確実性後退、中国恒大集団の懸念後退等ドル円上昇材料増える
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日パウエル議長はじめ要人発言多く要注意
〇本日の予想レンジ:110.60ー111.40

海外時間のレビュー

週明け27日(月)のドル円相場は急上昇。@先週発表された米FOMCにて「資産買い入れペースの減速(テーパリング)が近いうちに正当化される可能性がある」旨が示されたことや、Aドットチャートで米利上げ開始時期の前倒し観測が高まったこと、BパウエルFRB議長よりタカ派的な見解が示されたこと、C上記@ABを背景に米長期金利が急上昇したこと(米10年債利回りはFOMC直前に記録した1.29%をボトムに切り返すと昨日は6/29以来、約3ヵ月ぶり高水準となる1.51%へ急上昇)、D中国恒大集団を巡るデフォルト懸念が後退したこと(株式市場が持ち直す中、リスク選好の円売りが再開)、E本邦自民党総裁選を控えた期待感、F心理的節目111.00突破に伴うストップBUYが支援材料となり、米国時間にかけて、7/5以来、約2ヵ月半ぶり高値となる111.07まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、111.01近辺で推移しております。尚、昨日はブレイナードFRB理事より「米国の雇用はFRBがテーパリングを開始する基準にまだ少し足りない」「テーパリングのアナウンスを利上げシグナルと捉えるべきではない」との見解が示された他、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁からも「利上げの基準はまだ満たしてない」との言及が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

週明け27日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米長期金利上昇に伴うドル高圧力や、Aドイツの連立政権樹立を巡る先行き不透明感(9/26に投開票されたドイツの連邦議会選挙で、メルケル首相率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟が、中道左派の社会民主党に敗北→社会民主党は勝利したものの過半数に届かず→連立交渉を巡る先行き不透明感台頭)などが重石となり、米国時間にかけて、安値1.1689まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1697近辺で推移しております。

尚、昨日はベイリーBOE総裁によるタカ派的な発言(BOEによる早期利上げ観測再燃)を受けて英ポンドが急上昇。アジア時間に記録した安値1.3658から1.3729へと急伸しました(対円相場は9/14以来、約2週間ぶり高値となる152.21まで急上昇)。

本日の見通し

ドル円は9/22に記録した安値109.12をボトムに反発に転じると、昨日は一時111.07まで急伸しました(わずか4営業日で約2円の急伸劇)。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線、一目均衡表雲下限及び雲上限を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります(約6週間に亘り続いた109.00ー110.50レンジを上抜けたことで、短期筋のみならず中長期筋のストップBUYを誘発→ドル高・円安トレンドの再開を示唆)。目先は7/2に記録した年初来高値111.67を試すシナリオが想定されます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米金融政策を巡る不確実性が後退したこと(米テーパリング開始→米利上げ開始を巡る市場コンセンサスが確立されたこと)や、A中国恒大集団を巡るデフォルト懸念が後退したこと(グローバルに波及するリスクは小さいとの見方が台頭→リスク回避ムード後退)、B日米金融政策の方向性の違い(米国とは対照的に日銀は金融緩和脱却の糸口を掴めていない状況)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日はシカゴ連銀エバンズ総裁や、パウエルFRB議長、イエレン米財務長官、セントルイス連銀ブラード総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁など、要人発言が相次ぐ他、米9月消費者信頼感指数、米9月リッチモンド連銀製造業指数、米7年債入札など重要イベント目白押し。結果次第でドル円が一段と上昇する可能性もあり、アップサイドリスクに注意が必要)。

本日の予想レンジ:110.60ー111.40

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利上昇を背景に約2ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。節目111.00も上方ブレイク

ドル円日足

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