ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、上昇ペースが鈍り予想レンジよりもやや狭い値幅での取引が続く
〇南ア中銀総裁が8日、インフレ目標を2〜5%程度にすると示唆したことが早期利上げ思惑につながる
〇基調としてのランド高は現状はまだ続いていると見てよい
〇明日のCPI強ければテーパリング決定思惑再燃の可能性、ランド含め新興国通貨にとっては悪材料に
〇今週は7.58レベルをサポートに7.81レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上昇トレンドを継続するスタンスで、7.55レベルをサポートに7.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.62レベル、高値が7.79レベルとなり、上昇ペースが鈍り予想レンジよりもやや狭い値幅での取引が続く週となりました。
先週もランド円は、米国の利上げはまだ先というジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講演が新興国通貨にとって好材料という動きがまだ続いているという底堅さですが、南ア中銀総裁が8日にインフレ目標を3〜6%から2〜5%程度(発言では3〜4%±1%)にすることを示唆したことが早期利上げ思惑につながったようです。
現在南アのインフレ率は4.6%と既に4%を上回っていることが材料視されたようですが、1%の誤差を考えるとまだ範囲内ともいえ、週後半のドルランドでのドルの底堅さ(ランドの上値の重さ)は冷静になって考えると、5%を超えるまでは利上げ思惑も早いかという調整が入ったという感じもしますし、米金利が週末にかけてやや上昇した影響もあったかもしれません。
ただ基調としてのランド高は現状はまだ続いていると見てよいでしょう。今週は南ア関連では鉱工業生産、小売売上高の発表がありますが重要度はそれほど高くなく、今週に関して言えば明日の米国CPIの影響の方が大きいように思えます。明日のCPIが予想以上に強いと来週のFOMCでのテーパリング決定思惑が再燃する可能性があり、その場合ランドをはじめとする新興国通貨にとっては悪材料とされそうです。
テクニカルにはどうでしょうか。まず日足チャートからご覧ください。
6月高値からの下降チャンネルを8月末に上抜けて上昇トレンド継続中ではあるものの、やや上昇ペースが急なこと、7月高値を抜けられなかったこともあって先週は調整入りを感じさせる動きでした。このことを前提にいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
高値安値とも切り上げているので上昇トレンドではあるものの、先週だけ見るとランド円もドルランドもいったん横方向の動きへとスピード調整に入ってきたチャートに見えます。今週も高値圏での7.60〜7.79レンジでの調整を基本に考え、2銭ずつ上下に広げ7.58レベルをサポートに7.81レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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