南アランド週報:『約3週間ぶり安値圏へと急反落。CPIと南ア中銀会合に注目』(9/18朝)

南アランド円相場は、9/10に記録した約2ヶ月ぶり高値7.81円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約3週間ぶり安値となる7.43円まで急落しました。

南アランド週報:『約3週間ぶり安値圏へと急反落。CPIと南ア中銀会合に注目』(9/18朝)

『約3週間ぶり安値圏へと急反落。CPIと南ア中銀会合に注目』

〇今週の南ア円、米早期テーパリング観測後退と南ア経済回復期待に週前半7.78まで上昇
〇その後、JPモルガンの南ア売り推奨、南ア経済指標悪化、中国景気先行き懸念等で週末に7.43まで急落
〇南ア円、主要テクニカルポイントを下抜け、三役好転も消失、上値の重さ印象付ける形状へ
〇ファンダメンタルズも上記に加えプラチナ価格が軟調推移するなど南ア下落要因多い
〇来週は南アCPI、中銀政策決定会合に注目
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.60


今週のレビュー(9/13−9/17)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.73円で寄り付いた後、@米早期テーパリング及び米早期利上げ観測の後退や、A南アフリカのロックダウンレベル引き下げ、B上記Aを背景とした南ア経済の回復期待が支援材料となり、翌9/14にかけて、週間高値7.78円まで上昇しました。しかし、前週末金曜日に記録した約2ヵ月ぶり高値7.81円をバックに伸び悩むと、C米金融大手JPモルガンが南アランドの利益確定売り推奨レポートを発刊したことや、D南ア7月小売売上高(結果▲0.8%、予想3.3%、前回10.5%)の大幅悪化、E南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念(中国8月小売売上高、固定資産投資、鉱工業生産が軒並み悪化)、F南アフリカの主要産品であるプラチナ価格や南ア株の軟調推移が重石となり、週末にかけて、8/27以来、約3週間ぶり安値となる7.43円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/18午前5時30分時点)では7.44円前後で推移しております。

来週の見通し(9/20−9/24)

南アランド円相場は、9/10に記録した約2ヶ月ぶり高値7.81円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約3週間ぶり安値となる7.43円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、雲上下限、90日移動平均線や21日移動平均線を下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も消失するなど、上値の重さを印象付けるチャート形状になりつつあります(8/20に記録した約5ヶ月ぶり安値7.11円を起点に始まった短期上昇トレンドの終焉を示唆)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア小売売上高は大幅悪化)や、A南アフリカと経済的な結びつきの強い中国を巡る景気減速懸念、Bプラチナ価格の軟調推移、CJPモルガンによる利益確定売り推奨レポート(投資家マインドの悪化)など、南アランドの続落を連想させる材料が増えつつあります。

こうした中、来週は9/22に予定されている南ア8月消費者物価指数(CPI)と、9/23の南ア中銀・金融政策決定会合に注目が集まります。クガニャゴ総裁は先週、インフレターゲットレンジを現行の3ー6%から3ー4%に縮める方針を示しました。この為、来週発表されるCPIが4%を超え、且つ市場予想を上回る伸びを記録した場合には、南ア中銀による早期利上げ観測が意識されることから、一時的に南アランドに上昇圧力が加わる可能性はありそうです。但し、南ア経済の先行き不透明感を考慮すれば、南ア中銀がこのタイミングで利上げに踏み切るとは想定しづらく、9/23の会合後は再び南アランドに下落圧力が加わると考えられます。以上を踏まえ、当方では南アランド円相場の続落を来週のメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.60

注:ポイント要約は編集部

『約3週間ぶり安値圏へと急反落。CPIと南ア中銀会合に注目』

トルコリラ円日足

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