レンジ取引続くが、ドルの上放れ期待も
〇本日のドル円、夕方に110.10-15まで上値を伸ばし日中のドル最高値圏で推移
〇レンジ上限である110.45を超えれば8月高値110.80がターゲット
〇今週はブラックアウト期間、まずは明日の米消費者物価指数を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.50
〇ドル安・円高方向の強いサポートは、直近数回下げ止まっている109.60前後
<< 東京市場の動き >>
週明け13日の東京市場はドルが堅調裡。「寄り付き安・大引け高」の様相で、先週末には回復できなかった110円台を回復している。
先週末は、豪州クイーンズランド州が新型コロナのクラスターが確認されたとして、ロックダウンの検討に入ったことが明らかに。また、IAEA局長がイラン訪問し、「核査察制限問題協議」を行うことが判明し、思惑を呼んでいた。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた109.80-85円を日中安値に緩やかな右肩上がり。途中、110円手前ではやや上げ渋る局面も観測されたが上抜けると続伸。夕方には110.10-15円まで上値を伸ばしている。レンジは決して広くないものの、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。16時現在でも、ドル/円はそのまま日中のドル最高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「中国情勢」について。
前者は、米国務省が、キム北朝鮮担当特別代表が13-15日に東京を訪問すると発表。朝鮮半島の完全非核化や北朝鮮による拉致問題の速やかな解決に向け協議することが明らかになるなか、本日早朝に朝鮮中央通信が「北朝鮮、11日と12日に新型長距離巡航ミサイルの試射に成功」と報じ物議を醸していた。弾道ミサイルとは異なり、巡航ミサイルの発射は国連の安保理制裁決議違反には当たらない。米韓などへの牽制を狙う意味合いもあったようだ。
対して後者は、引き続き中国による外交、そして領土をめぐる圧力が目に付く。
たとえば、日本の防衛省は領海侵入こそなかったものの、「中国と推定される」潜水艦が接続水域を航行したと発表。そうしたなか、中国外相は15日までの日程でアジア4ヵ国の歴訪実施中で、最初の訪問地ベトナムでは自身の行動を棚に上げたうえで「南シナ海問題では、対立を悪化させかねない一方的な行動を控えるべき」とクギを刺すような発言が聞かれていた。また、実施された独中首脳による電話会談でも、メルケル独首相に対し「EUは正しい対中政策を推進するように望む」などとコメントしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、前述したように本日東京で110円台を回復したものの、大局的にはレンジ内。過去3週間ほど推移している1.04円レンジ(109.41-110.45円)もいまだ脱却できていない。このまま欧米時間に続伸し、レンジ上限の110.45円を「しっかり」超えていけるのか、その攻防にまずは注目だ。
市場では米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況下、すでに来週22日に予定されているFOMC会合へ注目が集まりつつある。今週は、いわゆるブラックアウト期間にあたり通貨当局者などからの発言が聞かれないなか、発表される米経済指標に注目で、まずは明日の米消費者物価指数を注視している向きが少なくない。本日は目立った材料がないなか、米株価などをにらみ思惑の交錯した展開か。
テクニカルに見た場合、3週続けて「週間レンジが1円未満」という小動きをたどっているドル/円だが、4週目のスタートとなる本日も依然レンジ取引。ただ、東京終盤に110円台を回復するなど上値トライの期待もうかがえるだけに、ドルのレンジ上放れにも一応要注意だ。レンジ上限である110.45円を仮に超えれば、8月高値110.80円がターゲットに。
材料的に見た場合、中長期的には、米国による「台湾の名称変更」検討が新たな火種になりかねない「中国情勢」のほか、出馬か否か15日の石破派臨時総会も注視されている「日本の政局」、オセアニアを中心に感染の続く「新型コロナ変異種問題」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の財政収支が発表されるものの、市場の関心はいまひとつか。いわゆる米国ファクターは少ないが、それより欧州関係で幾つか注目要因が観測されているだけに、欧州通貨、ユーロなどの動きにも要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.50円。先週高値110.45円が最初の抵抗として注視されている。上抜ければ8月高値110.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、強いサポートは、直近だけでも数回下げ止まっている109.60円前後だが、短期的にはその少し上109.80円前後もサポートとして意識されはじめている。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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