ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。米消費者物価指数がメインイベント
〇昨晩のドル円、110円を挟んでの小動き
〇ユーロドル、ECBのテーパリング観測後退の余波とECB関係者のハト派発言に、1.1770まで下落
〇その後、米金利低下によるドル売り圧力で1.18台を回復
〇ドル円米金融政策と、本邦総選挙の二つの不確実性を背景に方向感失う
〇テクニカルにも主要ポイントが実勢相場付近に集中、様子見ムードが継続
〇本日米CPIに注目、市場予想通りインフレ鈍化が示されれば一時的ドル売り圧力に
〇ただし、いずれの結果でも方向感を見出すには至らないか
〇本日の予想レンジ:109.60ー110.40
海外時間のレビュー
週明け13日(月)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。@アジア株の堅調推移や、A米中関係の改善期待(先週末のバイデン米大統領と習近平国家主席の電話会談)、B本邦解散総選挙を控えた期待感(自民党総裁選挙9/29に投開票)、C上記@ABを背景としたリスク選好の円売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値110.16まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、D米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間にかけて一時109.90まで反落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、110.00近辺で推移しております。
週明け13日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米金利上昇に伴うドル高圧力や、AECBによる早期テーパリング観測の後退を背景としたユーロ売り圧力(先週のECB理事会でラガルド総会は「今回の決定はテーパリングではなく微調整」「次の一手についての議論は未済」と発言)、B欧州経済の先行き不透明感、Cドイツを巡る政局不透明感(メルケル氏が率いるキリスト教民主・社会同盟の支持率は20%割れの冴えない展開)、DシュナーベルECB専務理事によるハト派的な発言(ユーロ圏のインフレは来年恐らく減速する)が重石となり、欧州時間にかけて、安値1.1770(8/27以来、約2週間ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、E米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となると、米国勢参入後に日通し高値1.1818まで反発する場面も見られました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1811近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は「米国の金融政策」と「本邦の解散総選挙」といった2つの不確実性を背景に方向感を見出しづらい時間帯が続いております。テクニカル的にも、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線、一目均衡表雲上下限といった主要チャートポイントが実勢相場近辺に密集するなど、様子見ムードの継続が意識されます。こうした中、本日は、日本時間21時30分に予定されている米8月消費者物価指数および同コア指数に注目が集まります。市場予想通り、インフレ鈍化が示されれば、インフレがピークアウトしたとの見方が強まり→米早期テーパリング観測後退→米長期金低下→米ドル売りの経路でドル円には一時的に下押し圧力が加わると予想されます。
一方、インフレ高進が示される場合には、早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円には一時的に上昇圧力が加わると予想されます。但し、前者については、米金利低下→米株高→リスク選好の円売りの経路も同時に意識されることから、ドル円は一巡後に反発すると考えられます。後者についても、米金利上昇→米株安→リスク回避の円買いの経路が同時に意識される為、ドル円は一巡後に反落する展開が見込まれます。結果として、米消費者物価指数が強くても弱くても、ドル円相場の方向性を見出すには至らないと予想いたします(振れを伴いつつも方向感を見出すことが出来ない相場展開を想定)。
本日の予想レンジ:109.60ー110.40
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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